効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電:pasta さんからのコメント

昨日のブログにpastaさんから『風力はあの広い北海道でもすべての風力が同時に0になることがあるそうなのであてになりません。太陽光も雨の日はあてになりません。だからこれらがいくら増えてもその分の火力は必要です。で、すべての火力でCO2回収を行い、これを貯蔵して太陽光や風力によってあまった電気で作った水素とCO2を反応させてメタンやアルコールを作りこれを自動車に使うという方法はどうでしょうか。以下のような研究があるようです。どうお考えになりますでしょうか。』というコメントをいただいた。紹介いただいた資料は貴重なものです。
日本は国自体が小さくて山が多いために、風力発電適地が陸上には少なく、また遠浅の沿岸が少ないために、外洋にフローティングの大型風力発電を設置し、そこで水を電気分解して水素を製造するのは、一つの有望な方式だと思います。火力発電所から回収したCO2と合成してメタノールなどの合成燃料を作って自動車用燃料や火力発電所燃料にするのは、火力発電所からのCO2は大部分が化石燃料、特に石炭からのものなので、そこから回収したCO2を使った燃料を燃やせば大気中のCO2が増えることに変わりはありません。
水素を貯蔵して液体水素や高圧ガスとして輸送して利用するのが安全に低コストでできれば一番望ましいのですが、これからの技術開発を期待しています。余剰風力発電電力を使って水素を製造して変動を吸収し、その水素を燃料電池の燃料に使うことができれば、陸上でも日本の風力発電設置可能量は増えるはずです。燃料電池には水素製造ができる機能を持たせることも可能で、試作はされています。ただ洋上風力発電とともに実用機開発にはこれから10年以上かかるでしょう。その間何もしないのではなく、いま設置できる風力発電太陽光発電を当面可能なだけ増設することも重要な課題だと思います。
いま地震で止まっている浜岡原発の再稼働がいつか不明になっています。地震があれば火力発電所も止まるとunaさんからコメントをいただいています。しかし、浜岡と同じ震度でも必ず止まるものではありませんし、たとえ止まったとしても火力発電所の再稼働はタービンなどの主要機器が壊れない限り、短時間で再稼働できるのが普通です。安全に関する基準がまったく違うからです。いずれにしろどれかが止まっても大丈夫なように発電容量には余裕を持って設置してあります。いま電力需要がピークであるために、それでなくても中部電力に余裕が少なくなっているところに2基の原発が止まったので、需給逼迫になっているのです。250万キロワットほどの連系がある関西電力からの融通も行われるでしょうが、それでも不足する可能性もあります。周波数の違う東京電力からの融通は難しいですし、東電も柏崎刈羽原発の稼働問題を抱えています。