効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電:unaさんのコメントへ

昨日14日に、8月7日の記述に対するunaさんから新しいコメントが入りました。全文は長いので、8/7を参照してください。『〜 100万kWの需要があり(簡単のため需要はフラットであるとします)、いままで(柔軟な)火力で賄っていたとします。ここに風力(20%の設備利用率)を導入するとしてどこまで入れるべきと考えますか?上記の考え方に立てば100万kWです。(あるいは、すべての風力が同時にフル稼働することはない、rcfさんが紹介してくれた東北エリアのデータをみると、現実的にはトータル80%出力が上限だから、100÷0.8=125万kWという考え方もあるかもしれませんが、あまり本質の違いはないと思います)  私にはこれがリーズナブルに思えますが、課題もあります。この場合、風力を入れることにより火力の燃料消費、つまりCO2排出量は20%削減されますが、見方を変えると、80%のCO2排出量はどうしても残ることになります。それでは「先進国は2050年までに温室効果ガス60%〜80%削減」といわれていることについてはどうするのか?ということです。のこりは全部省エネというわけにもいかないでしょうから、次のようなことが考えられます。
1 火力発電所にCCSを設置
2 風力を300万kW建設して余剰電力を蓄電池に充電
3 風力をあきらめて原子力を導入
4 火力の燃料の相当分をバイオ燃料にシフト 』 後略
風力に関する計算に大筋異論はありません。北海道の送電インフラには柔軟性がないことはその通りでしょう。しかし、発電設備からのC02排出をゼロにするというのは無理でしょうし、その必要もないと思います。1のCCS(カーボンキャプチャー)でもゼロにはできないはずです。私はこれに加える5番目として、北海道でいえば、本州との連系線を現在の60万キロワットから200万キロワットくらいにすることが一つの方法だと思います。当然投資が伴いますが、原発より建設期間が短くてすむ設備で、東北電力東京電力にも風力(太陽も)の変動を吸収して貰うのです。日本のように個々の電力会社がほぼ独自に供給制御をしている国は少ないでしょう。もう少しこの考えを進展させると、日本を縦断する高圧直流送電系統を新たに設置することになります。そうすればいま50ヘルツと60ヘルツに分断されている日本の電力供給インフラが大きく変わるでしょう。この送電網は日本直流送電というような組織が担当するべきだと思っています。交流では長距離の場合損失が大きいので、直流を使うのです。カリフォルニアへの州外からの長距離高圧直流送電線が実在します。