効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光オンサイト発電事業

九州電力が太陽光オンサイト発電事業への参入を検討している。電力会社自ら工場、事業所などへ太陽光発電設備を設置し、発電した電力を顧客へ販売するもので、海外では珍しいものではないが、日本では新しいビジネスモデルとなるのではないか。事業性確認とデータ収集へ向けてグループ会社の施設4地点に、合計出力200キロワットの太陽光発電設備を設置する計画で、8月から工事に入るという。いわば、設置場所を電力会社が借りて、そこで発電した電力を建物の所有者に売るという事業だ。
九州電力によれば、売電価格は通常の電気料金より高くなるそうだが、設置場所サイドでは、設備投資が不要だし、諸手続も電力会社がやってくれるのだから面倒さがなく、しかも温暖化対応をしているという良いイメージを与えることもできるのだから、受け入れやすいのではないか。この場合、設置する発電設備の規模は、全量が自家消費されるものでないと成り立ちにくい。というのは、自家消費より発電量が多い太陽光発電の場合、住宅用でなくても余剰分を少し高く電力会社が買わなければならない新しい制度ができて間もなく実施されるからだ。
経営計画で「2018年度までに供給エリア内に太陽光100万キロワット導入」という目標を示していることを踏まえているそうで、まとまった量の太陽光設備がどの程度、電力系統に影響を与えるのかデータを収集したいという意図もあると報じられている。4カ所の設置場所の内1カ所は駐車場だというのは面白い。駐車場に直接太陽の光が当たらなくなるので、夏など駐車している車の車内も熱くならず歓迎されるだろうし、周辺の気温を下げる効果もあって、その事業所の空調負荷も下がるはず。その辺りのデータも是非収集してほしいものだ。これは九州電力の意欲的な取り組みだと思う。