効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気の史料館

午前中に仕事で新橋近くのエネルギー関連企業にお邪魔して一時間ほどいろいろ意見交換した。その後、ずっと訪問したいと思っていた東京電力が運営している電気の史料館を訪れることにした。これはJRの川崎駅からシャットルバスがあって、駅から10分少しで到着する。最初に映像を見てくださいと受付で言われて、原発の宣伝をされるのかと思いながら席についたが、ウイークデーだけに他に2人いるだけで閑散としていた。その待ち時間に、全国で電気が普及するのがどのような年代経過を辿ったかを繰り返し上映するのを見せられた。これが意外に面白い。主要都市から始まるのは当然だが、地方都市にも結構早くから電気事業が始まっていたのが分かる。メモをしなかったのでいい加減だが、離島は別にして日本全体に電気が行き渡ったのは戦後なのだ。本番の映像は電気に普及の歴史を示してくれて、これも非常に面白かった。東京では最初直流と交流を供給する事業が混在していたのも始めて知った。最後に具体的な県の名前で普及の歴史を教えてくれるというので奈良県をお願いした。奈良市は東京、大阪とほぼ同じ頃に電気が来ている。その後もう1カ所市の名前をということだったので、室生市を入れて貰った。それで分かったのは、奈良県で電気の普及が一番最後になったのはこの室生市。自然が一杯だと思っていたが、電気がなかなか来なかったのも肯ける。
日本の電力供給事業の変遷も、いままでつまみ食いてきにしか知らなかったのを系統的に教えて貰った。古い直流発電機や交流発電機、水力発電機の古いもの、各種のモーター、変圧器、遮断機、高圧線の構造、緊急遮断リレーなど現物を目の前にみることができた。受付で聞いたら1時間ほどでしょうといわれたのが、結局2時間を超えて歩き回り、足が棒になった。良い勉強をさせて貰った。途中でグループがガイド付きでやってくるのに出会ったが、自分が面白いと思って時間をかけたところはほとんど素通りだった。このようなグループに入って来たのではなくて良かった。
このような展示場を運営する東京電力に敬意を表する次第だ。学校の教育にももちろん有効だし、企業PRとしてのものだろうが、書物ではなかなかつかめないことを短時間で勉強できる。風力発電太陽光発電が系統に与える影響についても説明するコーナーがあってほしいなと思ったが、これはまー無理と言うものだろう。
帰りの新幹線の中で、再度貰ったパンフレットを読み返している。その中に、どのような経過で日本が50ヘルツと60ヘルツに分断されているかも詳しく知ることができた。九州地区が同じ状況だったのが、政府支援によって1960年というごく最近に60ヘルツに統一されたというのも初めて知った。この情報はデジタル化して保存しておこう。