効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

小さな小さなエネルギーの利用

オーストラリアのブリスベンにある大学で建築デザインを教えている長男が久しぶりに日本へ帰って、昨日から在宅。オーストラリアはいま冬だから、ちょうど冬休みで休暇になってのことだ。彼が、最近振動などを電気に変換する技術が開発されているのに関心があるという話を始めて、たまたま今日の日経に出ている記事がそれに関連していたので、しばらく話に花が咲いた。
記事では、身体や自動車などの振動で発電する小型部品の開発が進んでいるという出だしで、オムロン三洋電機などの開発例を紹介している。太陽光や風力と比べて装置が小型で、導入コストも安くなるのが特徴だと述べているが、この比較の仕方には疑問がある。ワットあたりのコストを比較するとおそらく高くなるだろう。乾電池の価格は安いのだが、それをワットあたりに換算すると普通の電気に比べて高くなるのと同じことだ。しかし、いままで利用できるとは思えなかったものから電気エネルギーを生み出すことができることの価値は極めて大きいだろう。
オムロンが開発したのは、2センチメートル角で厚さ4ミリメートルの発電部品。僅かな隙間で向かい合わせにした2つの極板が振動でずれると電気が発生する。位置のずれだけだから摩擦もないので耐久性にも問題がないだろう。センサーや無線通信機を動かす電源としての用途を狙っているとのこと。前に同じようなもので橋の振動を利用して発電し、歪みセンサーの電源にするシステムをこのブログで紹介したことがあるが、多分同じ原理だろう。今日の記事で紹介されているのは、自動車タイヤ用の空気圧監視センサーの電源にするというもの。車体の振動で発電して圧力情報を無線で送信する。電池や配線は不要。
三洋電機の製品は、腰につけて歩くと身体の振動で100マイクロワットの電気を生み出せるものでオムロンのものより少し大きい。自動車のドライバーが携帯していると、車のドアを自動施錠するスマートキーの電源などとして4年後には実用化したいという。
長男と楽しんだ話は、ヘルスセンターなどで自転車を漕いでいる人は多いが、それで発電できれば楽しいし、その発電量をグリーン証書化して会費を安くできるようなシステムにすれば、欲もからんで一生懸命自転車を漕ぐだろうということだった。これで発電した電気は再生可能エネルギーだから、同じようなものは幾らでも思いつくはずだ。NTT環境エネルギー研究所が試作した「発電靴」も面白い。つま先とかかとの下に石けん水入りのミニタンクを2個つけて、その間をタービンとパイプでつなぐ。歩くと水が移動してタービンが回って発電するというアイデアの試作。これは機械的に解決すべき課題は大きいのではと二人の意見が一致した。