効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■摩擦発電

 今日の報道によると、 関西大学の谷弘詞教授と住友ゴム工業は、タイヤの内側に取り付けた摩擦発電機で電力を発生させる技術を開発したと、23日発表したようだ。摩擦発電機はゴムの中に、静電気が起きやすいフィルムと電極を内蔵させ、タイヤが地面に触れるなどして起こった振動により、フィルムがこすれて微弱な電力を発生する仕組み。住友ゴムは新技術をタイヤの空気圧を測るセンサーの電源などとして活用したい考えだ。

 プレス発表内容を見ると少し詳しい情報が得られる。これは静電気の一種である摩擦帯電現象を応用したもので、タイヤの回転に伴う接地面での変形により、発電デバイスが効率良く電力を発生するものだ。タイヤ内側に取り付けるTPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)などのセンサー類の電源供給として応用が期待でき、将来的にバッテリー不要のデジタルツールを活用したサービス創出に貢献できるとしている。

 摩擦というのは厄介者というイメージがある。摩擦によって回転が落ちたりするというイメージが先行するが、摩擦も一種のエネルギーを生み出しているという発想でこの新しい発電機構が開発されている。摩擦はどこにでも発生しており、摩擦がなければ足が滑って歩くことすら出来ないのだから、世の中は適切な摩擦が至るところで利用されている。筋肉の動きにも摩擦が伴うから、これに開発されたような方式が適用できれば、微少ではあるが発電はできる。電車が揺れるのも振動の力だから、これを摩擦発電機に結べば、電車の制御に使う電力が供給できるだろう。自動車が必ず止まる一旦停止の道路にこの発電装置を設置すれば、ブレーキをかけた車のタイヤの摩擦は道路面でも起きるから、それを発電に使うことが出来ることになる。

 課題は、摩擦に長期間耐えることが出来る素材の開発が出来ているかどうかだろう。