効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

九州電力の風力発電受容量

電気新聞のメール情報によると、『九州電力は7日、09年度の風力発電系統連系優先順位決定会を開き、現時点での受け付け状況を公表した。目的や規模を問わない「一般枠」に26件・40万8830キロワット、原子力発電所立地地域を対象とする「地域枠」に1件・4千キロワット、研究機関や教育機関が設置する「研究・教育枠」には1件・190キロワットの応募があったとしている。
09年度の募集規模は、一般枠が九州本土で17万キロワット、地域枠が3万キロワット、研究・教育枠が九州本土のみで3千キロワットの合計約20万キロワット。今後、技術検討や契約内容の調整を行い、10年3月下旬をめどに連系候補者を選定。4月中旬には契約者を決定、公表する予定。買い取り価格は1キロワット時あたり最大11円で受給期間は最大17年。導入促進策として20キロワット未満の小規模設備と離島分は随時受け付けとしている。
九州電力では風力連系可能容量を100万キロワットに拡大、今年度は未受け付け分40万キロワットの約半分を募集している。08年度は応募の時点で86万キロワット超、07年度は約200万キロワットの応募があり案件の応募は減少傾向にある。』
九州電力の総発電設備能力は約2千万キロワット弱。その内出力を柔軟に変えにくい、というよりも常時フル稼働させないと経済性が出ない原子力発電が520万キロワット。これだけの規模に対してわずか100万キロワットしか風力発電を受け入れられないのだろうか。風任せだとはいえ、風がいつ頃どの程度吹くかの予測技術も良くなっている。短時間の変動は系統で吸収できるというのが世界の常識である。風がなくなって発電できなければ、それに応じた必要量は火力発電で補わなければならないことは確かだが、九州各地にある風力発電が一斉に出力がゼロになったり、フルになったりすることはない。九州全土が台風に襲われたりするときには、風力発電は風を逃がして止まってしまうから、これも予測可能だ。それなのに100万キロしか受け入れられないのは世界の常識に外れている。厳しい制約条件を課すために事業として成り立たなくなっているせいで応募件数が毎年少なくなっているのだろう。日本の温暖化対応策としての貢献に消極的なのはなぜだろうか。技術的に難しいものではないはずだ。中国電力との連系容量も280万キロワットほどあるのだし。