効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

公立小中学校に太陽光発電

政府は、温暖化ガス削減策の一環として2020年までに全国すべての公立小中学校、32,000校に太陽光発電を導入する方針を固めたと今日報道されている。いかにもやっつけの仕事だという印象が深い。住宅や企業、工場などに比べて学校の施設は政府や地方自治体の主導で計画的に整備でき、児童や生徒の教育にも役立つとしている。自分がある地方自治体で「新エネルギービジョン策定委員会」の委員長をして、同じアイデアを出したが、教育委員会はなぜできないかという理由を並べ立てて結局実現しなかったことがある。政府の方針と財政的支援があるから今度はうまくいくのかもしれないが、ビジョンだけの段階でも、学校の屋根に変なものをつけると重みで損傷が出るなどという妙な理屈で拒否されたのを思い出す。
当初太陽光発電設置量を2020年に現在の10倍にするとしていたのを、最近急遽20倍に引き上げ、電力会社はそれには大きなコストが系統強化に必要だと後ろ向きの話しかしていない。電力会社には原発だけが温暖化対応策なのだろう。ただ、原発建設には10年単位の時間がかかるのに比べると、太陽や風力は2年単位で建設できるのをどうして推進しないのだろうか。
今回の策でも、3年後の12年には現状の1200校の10倍にあたる12,000校へ導入するという。一校で20キロワットを想定しているから24万キロワットだ。ここからの電力は学校で使うと同時に、余った電力は電力会社が売り買い同じで買い取ることになるだろう。来年にはキロワット時あたり50円で買うようになる家庭用とは違って収入は少ないはずだ。
どうして太陽光発電だけにしか力を入れないのだろうか。バイオマス発電なども学校に取り入れれば教育的にも有効なはずだ。生ゴミのガス化、使用済天ぷら油を使った自動車燃料などいろいろ地域特性のある方式が推進できるはずなのだが。結局日本の太陽電池メーカーへの支援策として有効だから推進するのだろう。