効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

IRENA(国際自然エネルギー機関)

友人である飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)から緊急のメールを受けた。IRENA(国際自然エネルギー機関)の本部の設置場所が今週には決定されるそうだが、本部事務局がアラブ首長国連邦UAE)のアブダビになるかもしれない恐れが出てきたということだ。アブダビは中東における原子力の拠点となろうとしており、この組織を推進しようとしている人たちは、自然エネルギーの推進拠点と両立できないと考えていることは明らかだ。
IRENAに当初日本は参加しないと決めていた。IEA(国際エネルギー機関)と機能が重複するし、お金持ち日本が多額の会費を求められることを恐れてのことだと言われていた。その裏には米国が参加はしないと予想していたこともあるようだ。ところが米国が参加することになって、急遽日本も参加することになったという経緯がある。
中東産油国は、唯一の商品である石油・天然ガスを温存するために、その資金力を使って太陽光発電を拡充しているが、それと同じ意味で原子力発電にも資金を投入しようとしている。UAEにとっては自然エネルギー原子力も長期的な国策として推進しようとするのは理解できないことではない。だが、反原発である飯田氏はじめ再生可能エネルギーを推進しようとする人たちにとっては、相反するものが同じところで推進されるのは大問題だとするのもよく分かるし、自分もそう思う。原子力を推進するエジプト・フランス連合とUAEが裏取引した結果だということだが、日本政府はどう反応するだろうか。少なくともこれに反対することはないように思える。石油や天然ガスの安定供給と、日本の原子力技術輸出の両方が確保できる可能性が高まるからだ。米国も同じだろう。
事務局の設置場所としては当初から4カ国4都市(ボン、コペンハーゲンマスダール、ウィーン)が名乗りを上げていたという。そして、コペンバーゲンは最近になってボンを支持し、候補地の撤回を表明している。これら諸国は反原発の国ばかりだ。そこへ突然原子力発電に積極的なアブダビが誘致を表明したのだ。この29日、30日で事務局の設置場所が決まるそうだ。結果を見守りたい。反対声明への支援メールを取りあえず送り出した。