効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■これまでのエネルギー消費動向

昨日、環境エネルギー政策研究所から冊子が届けられた。REN21(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century)が作成した、世界の再生可能エネルギー利用拡大についてまとえたレポートの日本版抄訳だった。世界的な流れとして示されているのは、2005年から2015年の10年間で観ると、最終総エネルギー消費は1.7%の増加であったのに対し、近代的自然エネルギー利用が5.4%増加し、伝統的バイオマスが0.2%の増加、化石燃料原子力エネルギーが1.6%の増加ということになっている。この傾向はこれからも変わらないだろう。

もう一つ興味ある結果は、2015年における部門別最終総エネルギー消費では、熱利用が48%、交通に32%、電力に20%であり、今後熱利用と交通関連のエネルギー消費を自然エネルギー由来のものに転換することの重要性を示している。そして、電力・熱利用・交通のセクタをカップリングし、自然エネルギーとエネルギー消費の効率化の結合を促進する必要があり、それに向けた政治的な制度設計が推進されなければならないとしている。

このような世界の動向の中で日本はどうだったかを振り返ると、系統制約のために変動性の自然エネルギー導入は頭打ちになり、一応発電時にCO2を排出しないとして政策的に推進されて来た原子力発電は福島第一原発の事故後の流れで再稼働は進展せず、核燃料サイクルを支える要であるもんじゅの実証機器が廃炉になり、使用済み核燃料の処理や保存場所が確定せず、海外への原子力発電設備の輸出も頓挫している。この両方の分野では、今後中国に指導権を握られるだろう。

このような障壁はあるが、日本は矢張りエネルギー自立率を高めるようなエネルギー政策を推進しなければならない。そこに立ちはだかる大手電力事業者の支配力を弱くすることも今後必要になるだろう。そのためには、分散型エネルギーの拡充に力を入れ、系統から分離されても地域が必要とする最低のエネルギー供給ができるようなシステム設計の具体化を進める必要がある。

来年が