効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本政府、欧州の原燃会社買収へ交渉

日本政府が、国際協力銀行JBIC)を通じて欧州のウラン濃縮大手、ウレンコ社(本社・英国)の買収交渉に入ったと報じられている。ウレンコ社は、米国に過度に依存した濃縮ウランの供給体制から脱却するため、英独などが1971年に設立した国際共同企業体。天然ウランを発電燃料として使えるように核分裂する成分の濃度をあげる「濃縮工程」を手掛け、原発ビジネスに不可欠な存在となっている。米エネルギー会社との共同提案によるもので、原子力発電の推進に向けて濃縮ウランの安定調達を目指す。政府は原発を日本の基幹電源と位置づけて輸出にも力を入れており、米国とともに原発に欠かせない濃縮ウランの権益確保に踏み込むことになる。日本政府が交渉しているのは、ウレンコ社の大株主である英国とオランダ両政府のほか、ドイツの電力大手RWEなど。独社はドイツ政府の脱原発、英政府は財政再建の方針を受けて株式売却をそれぞれ関係方面に打診しており、JBICは日本政府の意向を踏まえ株式を買い取れないか交渉しているようだ。ウレンコ社の買収にはロシアや中国も関心を示しているようで、日本政府はウレンコ社が中ロなどの傘下に入れば濃縮ウランの調達が不安定になると懸念しているとの記事を見て、そこまでして原発関連事業を促進しようとする日本政府の姿勢に恐怖すら感じる。