効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

植物性材料の断熱材

ここ一週間運動をする機会がなく、外出して歩いたのも木曜日に大学のある三田まで行っただけだった。書類や資料類を眺めてばかりいたら頭が重くなったので、歩いて15分ほどの距離にあるコンビニまで往復。ここで支払える振込があったからだ。帰ってきたら夕刊が入っていて、ちょっと興味を惹く記事が出ていた。
ポリ乳酸樹脂という、植物といってもトウモロコシを原料とした樹脂で効率の高い断熱材を東レが開発したというもの。植物から作ったものだから、建材に使ってそれが最終的に廃材となって埋め立て処分されても、分解しやすいので長くは残留しない。この樹脂をポリエチレン代替にしてスーパーの買い物袋にしようとする試みもあった。石油製品の消費が抑制できるし、ゴミ処理にも扱いやすくなるからだ。しかし、コストが高いので普及しなかった。また溶融温度が低いので他の石油系樹脂の代替にもなりにくかった。東レは、この樹脂が溶融状態の時に炭酸ガスを吹き込んで、ナノレベルの極めて微細な泡の中に閉じこめるのに成功したという。発泡スチロールがよく断熱材に使われるが、これは気泡の中には空気が入っている。炭酸ガスは空気よりも断熱性が高いので、従来製品より14%ほど断熱効果が高いものとなるそうだ。そしてこの炭酸ガスが漏れることはないそうだから、断熱効果にも経年変化がないことになる。
これから量産技術を開発するそうだが、量産すれば従来品と変わらない価格になるらしい。数年後には断熱性が要求される住宅の壁や天井、床などに使われるようになるだろう。トウモロコシから樹脂原料を作るときにエネルギーを使うのは避けられないが、石油系の樹脂と違って土中では分解してしまうので、環境負荷をかける率が低くなるわけだ。ポリ乳酸を食料ではない植物から作る技術が開発されるとさらに良いのだが。