効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

急増する世界の風力発電

米調査会社のNextGenリサーチは、風力の導入が今後も急速に伸びていくと予測した調査リポートをまとめた。景気後退で09年はやや停滞するが、中国での再生可能エネルギー拡大や各国政府の政策で、10年には導入が大幅に回復するだろうとしている。
リポートによると、08年は記録的な量の風力が導入され、世界の発電容量は1億2100万キロワット弱に達した。今後さらに年平均24・1%の伸びをみせ、13年には3億1850万キロワットとなると予測している。前にも書いたかもしれないが、米国は2008年にそれまでの累積容量の50%が設置された。中国は同年に累積量と同量ということは一挙に2倍になった。米国は、いままで世界でトップだったドイツを抜いて一位になっている。間もなく中国がその席を確保するだろう。インドも風力発電に大きく依存しようとしている。このレポートにも、中国で政府の補助金や固定価格買い取り制度などにより、再生可能エネルギー産業が急成長することを挙げている。
風力発電のキロワットあたりのコストもどんどん下がり、政府の補助金がなくても石炭火力よりも低コストで発電できるようになるとも予測している。米国や中国、ドイツは石炭火力が主力だから、風力発電が増加すれば石炭火力の稼働を抑制することもできて、CO2の排出を抑制することができる。しかも風力発電設備は、一度建設すると燃料を使用しないから、原油や石炭の価格が上がっても全く影響を受けない。メンテナンスが必要とはいっても、大規模集中型発電所に比べれば微々たるコストだ。それを考慮に入れれば10年先の発電コストも確実に計算できる。石油も石炭も天然ガスもほとんど海外からの輸入に依存する日本も風力発電を導入すべきだし、できるはずなのに、その設置量増加は微々たるものだ。電力会社がほぼ拒否的な姿勢を崩さないからだ。地球温暖化問題がなければそれでも良いが、日本が温暖化対応策の面で世界の潮流に乗り遅れるのではないかと心配だ。