効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

炭酸ガスから樹脂を作る

旭化成炭酸ガスを原料として、光ディスクなどに使う高機能樹脂ポリカーボネートを作る技術を開発し、他社へライセンス供与して世界展開しているという記事を読んだ。いままでこの樹脂の生産で一般的に使われていた有毒ガスのホスゲンを使用せずに済むのが特徴で、安全性や工場建設コストの低さが評価されて世界の企業から要請が殺到し、すでに5件以上の契約がまとまったとのこと。(日経産業新聞12月11日一面)
台湾や韓国、ロシアの5工場で年産能力計33万5千トンの設備が稼働し、世界のポリカーボネート生産の約1割を占める」というから半端ではない。2010年にはさらにサウジアラビアで26万トン分の設備が稼働する予定だそうだ。
同じように炭酸ガスに水素を反応させてメタノールを製造する実証設備を三井化学が大阪で稼働させる。これも世界初のプラントだそうだから、日本が炭酸ガスの有効利用について大きな貢献をしていると言えるだろう。石油以外の原料からこのような化学製品を製造することができれば、回収技術が確立して妥当なコストで設備が稼働できれば、最近のように価格が乱高下し、しかも枯渇も想定される石油に依存する必要もなくなり、日本国内で原料を入手できるわけだ。
以前にも書いたが、炭素は全ての生物の基本元素なのだから、伝統的な炭素化学の技術で価値のある製品に転換できるはずなのだ。さらにいえば、植物は炭酸ガスを取り込んで基本組織を作っている。そこではほとんどエネルギーを消費していない。この秘密を解明することができれば、持続可能なシステムを作ることも可能だろう。