効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

質問をいただいて

『数日前に廃棄物に関係する業者から聞いたことですが、木質廃材が取り合いになっていて、おまけにこの不景気で廃材が以前のように大量に出ないこともあり困っているーとのことですが、これはバイオマスと関連があるのでしょうか?』という質問を昨日の記述に対していただいた。バイオマスを石油代替のものに変えるのは、藁、草、樹木の枝、樹皮、海草など、自然から直接採取したものを原料とすることから始まるはずだ。木質廃材という場合、廃棄物業者ということだから多分建築廃材だろう。建築廃材は焼却か埋め立てかどちらかで処理される産業廃棄物で、産業廃棄物処理業者は解体業者などから処理費を貰って処分している。おそらく住宅新築需要が減っているために、古い建物を解体する量が減っていて、そのために処理業者の間で取り合いになっているのだと思う。そうすると当然処理費の値下げをしてでも廃棄物を確保しないと事業が続かなくなる。一方産廃業者がこの廃棄物を埋め立てたり焼却するコストは下がらないから、経営が成り立たないところも出てくるだろう。
建築廃材はバイオマス燃料に転換させようとする場合、塗料やシロアリ防止剤や消毒剤、ホルマリンなどの薬剤が含まれていて、転換させる化学反応、あるいは生物反応に問題が出てくる。特に細菌を使って燃料転換させようとするのには、そのような有害物がないものをきっちり分別しなければ細菌が死んでしまうので使えない。
日本でも木質廃材を化学処理してエタノールにする試験プラントがあると聞いているが、まだ大量に廃材を使って廃材市場に影響を与えるほどのものにはなっていないはずだ。多分景気の問題なのだと思う。自然の草木を原料にするとすれば、産廃とは逆に購入しなければならないはず。そうしないと育成するコストがカバーできないからだ。