効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地球温暖化ガス排出量削減目標

麻生さんが頑張って1%上乗せさせた数字として、日本が目標とする地球温暖化ガス排出削減目標として2020年に2005年比で15%引き下げるとする方針が決定したと報じられた。京都議定書で日本に課された達成義務量として1990年比6%減という数字には、植林をしたり外国から排出権を買ってきて充当するなどによって達成される排出削減も入っていたが、今回の数字は、そのようなものを含まない実質的な化石燃料消費の削減によって達成される数字だということだ。この数字を日本の方針として、年末にコペンハーゲン開催されるCOP15に臨むのだが、各国からは生ぬるいと言われるのは確実だろう。どうして植林やCDMなどを含めた数字も出さなかったのだろうか。
麻生さんは国民がこのために負担すべきコストとして年間7万円余を示している。経済的な負担が出てくるということを示すのは良いことだろう。誰かがやってくれるのではなく、国民が全部で荷を背負わなくてはならないということの表明だからだ。産業界は大きな声で不可能だと言い出すに違いない。エネルギー消費の大きい重工関係が、オイルショック後エネルギー効率を大きく上げたことは確かだし、諸外国に比べて効率向上余地が少ないことは理解できる。しかし、一般的に考えれば、コストを掛けずに効率向上を実現する手段はまだ幾らでもあるのは確かだ。効率向上に投資は必要だが、それを上回る収益が出るだけ高い総合効率工場を実現する手法があることはあまり知られていない。目先の投資額ばかりが先行して議論されてしまうからだが、数年先のリターンを計算して利がでるものを優先的に推進できるような公的支援施策を幅広く行うべきだろう。
麻生さんは例示的に太陽光発電を上げて、拡充策を述べたが、そこに一言も風力発電が入っていなかった。これから世界で実現する洋上風力発電を入れれば、日本の持つ潜在力は大きい。太陽光発電を大きく上回れるはずだ。風力は入らなかったのは電力業界の意向をくんだのだろうと思う。しかし、諸外国からそれを指摘されたらどのように回答するのだろうか。日本は穏やかな気候だから風らしい風が吹かないのだというのだろうか。