効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ビルの地下に熱を貯める(NREL情報)

米国のコロラド州ボールダーにある国立再生可能エネルギー研究所が新しく研究棟を建設しているが、この地下には外から取り入れた空気が分厚いコンクリート層の中をぐるぐる回ってまた外へ出るような迷路が組み込まれている。これは外気の熱をコンクリートの塊に取り込んでおいて、ビルの空調用にその熱を取り出そうとするためのものだ。
夏であれば、夜の間に涼しい外気を取り入れて放出させると、迷路を通る空気からコンクリート層に冷気の温度が移動して分厚いコンクリートの温度が下がる。そして翌朝に空調するときに、ビル内の空気をこの層を通ってから空調機の冷却回路に入るようにしてやると、冷房に使うエネルギー所要量が大きく下がることになるということだ。冬であれば、外気も冷たいからそれを取り入れるのではなく、独自設計の太陽の熱を集める装置の他に、付属するデータセンターのコンピュータ施設などから出る熱気を回してやってコンクリート層を温めてやる。そうすると、46時中冷却装置が作動しているデータセンターは、コンクリート層を温める熱源となるわけだ。
このコンクリートの量は数千トンになると報じられているが、周回する空気の湿度とか微粒子との関係でいろいろな工夫がなされているだろう。夏の夜に外の冷気を取り入れるのは自分も実行しているが、冬には壁に空気層を作って太陽で温めてやり、それを地下に取り込むのは聞いたことがあるくらいで、コンピュータセンターの排熱を使うというのは初めてだ。夜の間に冷えたビル内の空気をこのコンクリート層を通してから暖房装置に回してやれば、空調用エネルギーは下がることになる。NRELは太陽熱の取り入れに、当初南側の外壁を2層にすることを考えたそうだが、技術的にもコスト的にも問題があったために、金属板に小さな穴を開けたものを設計したそうだ。コロラド州の冬は快晴が多いので、太陽で温められた金属板を空気が通るときに温度が上がり、それがコンクリートを温める。この技術自体もNRELが発明したものだそうだ。
このような工夫の蓄積が地球温暖化対応には必要なのだということを教えて貰った。