効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

インフラ輸出によるカーボン排出枠獲得

日経が今日の朝刊トップに報じているが、経済産業省は、東南アジアなど9カ国と個別に協定を結び、日本企業が持つ温暖化ガス削減技術を使ったインフラ輸出を後押しする。第1弾として各国で合計15の事業を試行する。東京電力東芝三菱商事などが主体となり、効率が高い石炭火力発電所地熱発電施設の建設に乗り出す。協定には、日本からの技術移転によって現地の温暖化ガス排出が減り、排出枠が生じた分を日本が取得する仕組みを盛り込み、地球温暖化対策を進める狙いもある。
効率の高いインフラの輸出は取り立てていうほどの新機軸ではない。これは有効かもと思ったのは、経産省が打ち出すした「2国間オフセットメカニズム」と呼ぶ枠組み。昨年12月にデンマークで開かれた第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)での「コペンハーゲン合意」により、2国間の合意のみで排出枠をやり取りすることが可能になったため、今回初めて活用する。この仕組みの詳細は分からないが、これまで国連に認証を求めなければならなかったCDMに問題点も指摘されていただけに、二国の合意で成立するとすれば、手続き的にも簡単になる。しかし、逆に排出枠の大きさの認定などをどこがやるかなど調べてみる必要があるだろう。この排出枠を使った地球温暖化ガス低減量が国際的にそのまま認められるのだろうか。だとすると、国連による認証が必要なCDM関連プロジェクトは激減するのではないだろうか。
今回具体的なプロジェクトとして上げられているものの中には高効率石炭火力発電の数が3つ、地熱発電と鉄鋼プラントの廃熱利用がそれぞれ2つ、送電の効率化、セメント工場と一般向上の効率化、それに高効率住宅、森林保全がある。それぞれ温暖化ガス排出量が示されているが、その数字の信憑性をどのような組織が認定するのだろうか。少し詳しく調べることにしよう。政治的配慮で数字が左右されるのでは困るからだ。