効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

競争事業者が物流提携

キャノンとセイコーエプソンが6月から国内で、インクジェットプリンターなど消費者向けのデジタル製品の共同配送をはじめるらしい。別々に配送するよりも配送回数も減るのは確かだから、それに要するエネルギーも減らすことができるし、配送費用も削減できる。年間二酸化炭素排出量を25%以上の削減を狙っていると報じられている。国内のインクジェットプリンター市場で両社のシェアはそれぞれ4割程度だという。シェア争いをしている事業者が協調するというのは、それだけ経営的に魅力のあるものだったということだろう。
日本通運の配送網を活用する。配送先や配送時間を揃えて、家電量販店向けの配送を効率化するのだが、トラックの積載率は1〜2割高まって、運行本数が減る見通しだ。両社が配送する先はほぼ同じだと考えられるから、多分日通がビジネスモデルとして提案したのだろう。どこに何個の荷を運んだということが相互に分からないような仕組みでないと、いかにコストが削減できたとしても、なかなか踏み切れないはずだからだ。6月に札幌地域から始めて、東北や首都圏などに段階的に拡大し、年内をめどに全国の主要地域で体制を整えるとのこと。
エプソンもキャノンもビジネスシステムを変えなければならない部分もあるだろうが、集荷のタイミングさえ大きく変わらなければ、家電店で荷下ろしをするときに配達個数などの情報が外部に出ないようにすれば良いわけだ。このようなやり方は、他の業界でも可能だろう。どこか食材の配送にこのような方法をとっているという話も聞いたことがある。コストを下げながら、エネルギー効率も上がる方式でないと、二酸化炭素排出量引き下げだけをインセンティブにするのは難しいのが現実だから、このような方式の普及を図る知恵者が増えてほしいものだ。適用できる分野は案外多いかもしれない。