効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

火力発電燃料にバイオマス

沖縄電力が地元で発生する建築廃材を砕いて不純物を除去し、ペレット状にした燃料を2010年度から使うようだ。地元の廃棄物処理会社が共同で作った施設から年間2万トンを調達する。具志川火力発電所の出力15.6万キロワット二基の発電機で、今までの燃料である石炭に重量比で最大3%混ぜる予定。電力会社の中で建築廃材を利用するのは沖縄電力が最初だ。中部電力関西電力は輸入した木材チップを石炭に混ぜ、中国電力北陸電力四国電力では間伐材や樹皮などを使っている。
建築廃材はこれまで焼却などで処分していたが、処分場に限りがあるため、島内での有効な処理方法を検討していたのとうまくマッチした形だ。沖縄には原子力発電所や大型の水力発電所がないために化石燃料を使用する。そのため発電量あたりの二酸化炭素排出量は十電力の中ではもっとも高いので、これによって環境負荷の軽減を図る。建築廃材は他の電力会社も導入できれば、廃棄物処理と一体化できるし、木質チップを輸入する必要もなくなるので望ましいのだが。
沖縄は本土と送電線がつながっていない。独立した系統となっているから、電力が不足しても他の電力会社から融通してもらうことはできない。一方、常時フル運転するのが原則である原子力発電所がないということは、需要変動への対応が比較的やりやすいはず。沖縄本島の外に石垣島宮古島などの島にも小規模発電所を持っている。重油、灯油、石炭を燃料として使っている。本島全体で150万キロワット程度の規模だが、ここへ風力発電太陽光発電を、いま世界的に話題となっているスマートグリッドの技術を応用すればどれだけ導入できるかを試みても良いのではないかと思う。気象予測技術を高めて自然エネルギーの変動に対応できる準備をし、間もなくLNGも導入されるので、負荷変動への応答性が良いガスタービン発電機を使って、風力発電太陽光発電の変動を吸収するとともに、スマートメーターを使って電力消費も制御する。安易に大型蓄電池を使う方向に行かずして自然エネルギーを導入するにはどういう制御が必要かなど、国のプロジェクトにしても良いのではないだろうか。沖縄には台風が直撃することが多いので、その影響も考慮しなければならないだろうが。