効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

環境省と太陽光発電支援

経済産業省が家庭用の太陽光発電設備が発電する電力のうち、自家消費しないいわゆる余剰電力を電力会社に現在の家庭用電気料金の2倍以上となるkWh50円ほどで買い取らせる方向で行こうとしている。余剰を多くするために電気機器の使用を少なくしようとするところもあるだろうが、基本となる電気使用量が多い家庭では、買い取って貰える電力が少なくなるために太陽光発電を取り付ける経済的魅力がなくなる恐れもある。自然エネルギーによる発電を促進する目的ならば、そこからの電力は全て売ることができるようにすべきだ。そうすれば太陽電池への投資が何年で回収できるかの目安が立ちやすくなるために、設置に踏み切る家庭も増えるはずだ。これはドイツなどが採用している方法だ。
環境省経済産業省の方式が中途半端であると思っているからだろうが、自家消費の電力にカーボンオフセットとしての環境価値を認めて、自治体がこれを買い取るモデル事業を開始することになった。経産省の方式はまだ最終確定しているわけではないが、余剰分買取となることを見越してのことだろう。自家消費分をグリーン証書に変え、自治体が買い取る形をとる。自治体はこの証書を地元の企業や市民団体に販売するのだが、その為に地元商工会議所などとソーラーまちづくり協議会を作るらしい。環境省はこのモデル事業を今年度から実施する。予算は8千万円で、10カ所ほどの自治体を対象とする考えだという。この場合、このグリーン証書の値決めは誰がやるのだろう。いま証書の売買は相対取引で行われていて、市場価格があるわけではないから、プラスになることは分かっても一般家庭でどれだけの収入になるか予想しにくいだろう。また、計量する期間によっては、証書が発行されるのに時間がかかることも考えられる。
日本の政府機関が同じ太陽光発電設備に対して違った支援策を打ち出そうとするのは実に情けないことだ。余計な手間がかかるし、当事者にとってプラスがはっきり見えない施策が設定されようとしている。経産省の施策の中途半端さを政府自ら認めているようなものだ。