効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■太陽光発電の余剰対策

 電力需要が少ない日が快晴となって、太陽光発電の発電量を組み込むと余剰電力が発生するのを防ぐために、いまの方式では太陽光発電の稼働を輪番で停止させる方式が行われている。だが、それでは折角のゼロカーボンの電力を捨ててしまうことになる。そこで経済産業省が新しい対応制度を考え出したようだ。晴れが続いて太陽光発電が過剰になった場合に、自家発電施設を持つ事業者が発電を止め、太陽光でつくった電力を使えば利益が手にできる制度を設けると報じられている。これは一種のデマンドレスポンス制度だと言えるが、事業者が太陽光発電の多い昼の時間帯に自家発電設備の稼働を減らし、余りそうな太陽光を使った場合に資金を分配するのをインセンティブにした制度となる。

 ここでまず現時点で太陽光発電の余剰問題が顕在化している九州電力管内に、どれほどの自家発電容量があるかだし、この制度を家庭用燃料電池エネファームや、小規模の自家発を稼働させている工場などが利用できるかという問題もある。というのは、どれだけ発電を通常より下げたかを計測することによって、太陽光発電からの電力を消費したと見なすことになるから、その計測機器が既設になっていないところにこの制度を適用するのは難しいと思えるからだ。このような計測器の取付コストから見ると、既設になっていなくても抑制規模の大きい大工場を対象にする方が具体化しやすい。余剰分を割り振る方式も新たに作らなければ、大規模な工場でもなかなか対応は難しいと思える。自家発が常にフル稼働しているところは多くはないと思うから、発電量の引き下げが、どれほど太陽光からの電力消費に結びつくかの技術的な制度設計はかなり難しいのではないかと感じている。

 対象地域にスマートメーターが普及していればかなり実行しやすくはなるが、どこでも可能になるには2023年くらいまでまたなければなるまい。それまではかなり偏った形の余剰分の見做し消費とならざるを得ないだろう。

 

 

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