効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用太陽光発電の2019年問題

今日午後、大阪歴史博物館で、太陽光発電、2019年問題を考えるセミナーが自然えねるぎー市民の会によって開催された。講師が京都大学の安田教授であることもあって、どのような説明をされるかを聞きに出かけた。会場に着く頃に猛烈な雨となったが、いま日本に近づいている台風の前触れだったのかも知れない。
再生間能エネルギーの固定価格買取制度は2012年に始まったが、それまでは、家庭用も産業用も、自家消費をしても余った余剰電力を電力会社が任意の価格で買い取りをしていた。2009年以前は消費する系統の電力と同価格の24円/kWh前後だったが、2009年から家庭用について48円/kWhへ買取価格が上がり、それが10年間約束されていた。その10年がこの2019年で終了するため、まだ発電を続けて生まれる電力をどのように扱うのかが、2019年問題だ。固定価格買取制度が終了するわけではない。2011年迄は産業用については安い電力価格で電力会社が買い取っていたが、2012年の固定価格香取制度で大幅に上昇し、初年度は40円で20年間という制度となった。だから産業用について言えば2019年問題は発生しない。2012年以降の制度では「産業用」という呼び方が取り払われ、10kW以上・未満と容量で規模が区別されるようになったため、住宅の屋根でも10kW以上を載せ、自家消費はせずに発電した電力を全量売電する家庭も出ている。
今の所、10年が経過した家庭用からの電力の買取は、一般電気事業者が自主的に行うとされているが、その価格は未定である。無料になるとも言われている。10年が経過しても健全な設備は多いはずだから、その余剰電力を適切な価格で買い取る方向に行かなければ、社会問題になるだろう。
今日の説明では、日本にはアグリゲーターやトレーダーが成熟していないから、家庭が電力を売る交渉は難しいというように受け取られたが、家庭が買取先を探すのは難しいだろうが、地域の新電力がそれに該当する発電家庭を把握できれば、新電力が買電交渉をすることもできるだろう。その情報を握っているのは一般電気事業者であるが、個人情報に該当するから公表するには問題が発生する。何らかの制度的準備がされるようにならなければ、電力市場が混乱するに違いない。