効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の温暖化対策急進展

オバマ政権が公約の一つである地球温暖化対応へ本格的に動き始めたようだ。ブッシュ政権は温暖化対策に対して消極的だったが、新政権は180度方向を変えたような感じがする。EPA(米国の環境保護局)が米政府として温暖化ガスの危険性を正式に認定し、排出規制を提言した。その効果を上げるために高速鉄道の整備や、ガソリンへのエタノール混合率を引き上げるなども施策として打ち出している。グリーン・ニューディール政策としても極めて有効なものとなるだろう。
オバマ大統領は高速鉄道網の整備推進を16日に表明したと報じられている。カリフォルニア州やメキシコ湾岸などの10路線を対象に挙げ、連邦政府としての拠出額を、契機対策法に盛り込んだ80億ドルから130億ドルに引き上げる方針だという。これは全米の送配電網を強化改善させるスマートグリッド推進と並ぶプロジェクトとなる。ともに10年の単位で推進しないと完成の難しいものであり、このプロジェクトに関連する企業や労働者にとっては大きな下支えになる。
鉄道網の強化については日本企業の技術力を生かすことができるだろう。おそらくフランスやドイツと競合することになるが、米国企業とうまく連携する必要もあるだろう。鉄道建設は開始すれば後戻りはできない。路線数に変更がでることはあっても自動車からのモーダルシフトを促進するような高速鉄道が幾つも生まれるだろう。既存の鉄道を改良するよりも新設する方が米国の場合には投資効果がでるような気もする。これによって米国が車社会から変わるとは言い切れないが、市民意識も明らかに変化している米国社会の動きをよく見ておかないと、国際社会の一員としての日本に反動がくる可能性もある。