効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東芝がポータブル燃料電池を量産開始

東芝が携帯電話やノートパソコンの電池を充電することができる小型の燃料電池を4月にも市販に向けて量産するようだ。この燃料電池メタノールを燃料にするもので、容器に入れたメタノールを入れてやれば発電してくれる。横浜の工場に生産ラインを作る。現時点での価格は1万円から5万円の間にあるようだが、量産によって数千円にまで引き下げるのを目標としている。本来危険物で毒性のあるメタノールは飛行機に持ち込むことが許されていなかったが、この種の燃料電池の利用が多いと予想されたことから、いまでは一定条件を満たした容器に入れたものであれば、可能なようになっているはずだ。ただ、飛行機も座席に電源端子を設置するようになっているから、これがなければということではなくなったとはいえ、現在飛んでいる航空機が退役するまでは利用されるだろう。
今回のものは外付けで使うものだが、いずれ携帯電話やPCに組み込まれるようになるのは時間の問題だ。そうなるとコンビニなどでメタノールの入ったカートリッジが販売されるようになって、時々そこから携帯やPCに注入してやれば電池切れの心配はなくなる。おそらくバッテリーよりこの燃料電池のほうが軽いから、持ち歩きの時の負担が軽減される。かなり昔から燃料電池の利用方法の一つとして言われてきたものがやっと市場に出てきたという感がする。このような小さなメタノール燃料電池の応用範囲は意外に広いかもしれない。
メタノールは石油、石炭や天然ガスなどの化石燃料からいままで作られているのが主流だが、木酢液の蒸留や、メタノール発酵菌によるものなど、動植物系のバイオマスから作ることもできる。バイオマスから作られるメタノール化石燃料からのものより多少高くなったとしても、カーボンニュートラルであることを評価するユーザーが使用してくれるかもしれない。本格的に普及すれば、その消費量も大きくなって、CO2排出量を削減する効果が数字で示せるほどになるかもしれない。使用されている携帯電話やPCの数が大きいだけに、一つ一つが消費するメタノールの量は少なくても、その累積は予想以上に大きくなる可能性もある。木質系のバイオマスからメタノールが量産されるようになれば、森林を手入れする結果を生むだけに、温暖化防止に向けた潜在能力は大きいのではないだろうか。
今日は慌ただしい東京日帰り出張。新幹線N700系車両に乗れたので、この日記のアップロードはここから。ビールを飲んでご機嫌なので、変な文章になっているかも。