効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東芝がCO2から樹脂

以前、東芝が水を電気分解して得た水素で燃料電池を駆動する方式を開発したという報道を紹介したことがあるが、それを一歩進めて、二酸化炭素(CO2)と水からペットボトルに使う樹脂の原料を作る技術を開発した。太陽電池と組み合わせると、植物のように太陽光のエネルギーから有用物質を合成できる。合成したのはエチレングリコールという物質で、ペットボトルに使うポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の原料や自動車のエンジンの不凍液などに利用されている。東芝は表面加工した金を使いメタノールなどの燃料の原料を合成する技術を開発しているが、今回は金の表面にイミダゾリウム塩という特殊な物質を付けることで樹脂製造を可能にした。電気を流すと反応が進む。実験では1回の反応でCO2と水のほぼ80%がエチレングリコールに変わった。残りの20%は水素となる。さらに、光で発電する電池と組み合わせて人工光合成技術として使えるように改良する計画だという。この技術がどの程度大規模にできるかは分からないが、化石燃料を使った火力発電所からの排ガスに含まれる二酸化炭素を抽出固定するだけでなく、有用物質に変える技術の一つに育てれば、地球温暖化対応にも極めて有効な技術となる。東芝は今コンプライアンスの問題対応に追われているが、技術開発には影響していないように見える。