効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱伝導性炭素材料

帝人が興味ある材料を開発した。熱伝導性が非常に高い炭素材料だ。炭素を繊維状にして樹脂やゴムに混ぜて作るのだが、鉄の6〜7倍、アルミニウムの2〜3倍、そして熱を非常に伝えやすい金属である銀や銅より20〜50%高いというから素晴らしい。熱を伝える金属の代替部品になるという。
樹脂やゴムと一緒だから金属ほど高温には耐えられないだろうが、半導体回路基板で発生する熱を逃がすのには最適だろう。金属を使わないからいずれはコストも金属素材より下がるに違いない。報道では、LED基板の熱放散をまず考えているそうだ。LEDは次世代の照明として次々に新しい商品が登場しつつある。ただ、LEDは高効率だとはいえ、半導体としての発熱が必ずあって、それをうまく逃がしてやらなければ、十分な発光が得られないし寿命にも影響する。LEDの熱制御はどの設計でも頭の痛い問題だと聞く。小型化が熱処理のためにうまく行かないケースも聞いている。
ノート型のPCがどんどん小さくなる一方で、CPUの処理速度は上がっていく。そうすると半導体回路基板のあちこちで熱が発生し、それをうまく逃がしてやらなければ処理が不安定になったり壊れたりする。前にも書いたことがあるが、ヒートパイプを使ったりとメーカーは苦心している。重さもノート型PCの課題だが、炭素材であればこの障壁も低くなるはずだ。ニーズに対応した新技術だと思う。応用範囲は意外に広いような気もする。