効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭で使用するエネルギーの97%を自然エネルギーで

三菱重工が発表したのだが、次世代超省エネモデル住宅「エコスカイハウス」が横浜市内に竣工して2月から実証試験を始めるそうだ。太陽光発電と太陽熱回収技術を複合した「パッシブソーラーハイブリッドシステム」などを搭載したモデルハウスで、標準世帯で使用するエネルギーの約97%を自然エネルギーで賄うというから面白い。実証試験は2010年3月まで。
エコスカイハウスは、延べ床面積約130平方メートルの一戸建て住宅で、4人家族に住んで貰うそうだ。屋根とベランダ壁部に三菱重工が開発したタンデム型太陽電池を活用した出力3キロワットの太陽光発電システムが設置されている。屋根と太陽電池の間に空気の流路を確保して熱回収しているのだ。太陽電池は温度が上がると変換効率が落ちるのだが、この熱を回収して居住空間の空調や給湯などに利用するシステムなどを組み合わせて太陽エネルギーを最大活用できる設計がなされている。建物地下には高効率蓄熱層を設置し、年間を通じて安定している地中熱や太陽電池の回収排熱などを使って冷暖房負荷を賄う。この他、出力1キロワットの風力発電機、冷暖房機能を付加したヒートポンプ給湯器、リチウムイオン電池システムの実証設備を備えている。屋根頂部に設置したガラス製ソーラーベンチレーションボックスで空気の比重差を利用して効果的に自然換気する「ソーラーベンチレーション技術」も応用されている。照明も最先端技術が採用されているが、果たして快適な照明になっているかを見てみたい。
三年後をめどに商品化を図る考えだという。これら設備全体で300〜500万円程度の価格に抑えて住宅メーカーなどへの拡販を進めるそうだ。
これだけエネルギー機器のオンパレードを見るのは初めてだが、この家はオール電化なんだろうな。オール電化ハウスの光熱費が安くなるのは深夜電力料金がキロワット時あたり8円という発電原価に近い設定をしているからであって、これがいつまでもこの安さで維持されるとは限らない。もし原発の建設が進まず、石炭火力が環境負荷の観点から建設に疑問が出されるようになると、深夜電力の値上げが起こらないとも限らない。電気ヒートポンプ給湯器「エコキュート」の環境負荷はガス瞬間湯沸器とそう変わらないというのが最近の調査で分かっている。ただ、このモデルハウスルが本当に自然エネルギーだけで機能するのであれば、オール電化は有効なのだろう。本当に経済性も含めて実現可能だろうか。