効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

トヨタ、世界販売初の首位

自動車産業の盟主が77年ぶりに交代した。2008年の世界販売台数でトヨタ自動車が部いうゼネラル・モータース(GM)を約62万台差で抜き、初めての首位になった、と今日の日経新聞が報じている。成長を続けてきた市場は「100年に一度」ともいわれる世界不況で急激に縮小。同時に、環境問題対応する技術革新にも直面する自動車業界。リード役だったGMの陥落は自動車産業が歴史的な転換期を迎えていることを象徴する、と続けて述べて導入部の記事になっている。GMが21日に発表した数字では、08年通年の世界の新車販売台数が前年比10.8%減の835万6千台。同年に897万2千台を販売したトヨタの世界首位が確定した。
1967年にミシガン大学経営学修士課程に留学したときに、時々日本企業から来ている留学生だけが集まって議論していた。そこで、政府系金融機関から来ていた優秀な人が主張していたことを思い出す。その頃トヨタは何とか米国向けの輸出を始めたところだったが、性能が追いつかない、高速道路で故障頻発といった悲惨な状況にあった。その人の論は、日本はいくら逆立ちしても米国の自動車産業に追いつくことはできないのだから、全部米国に依存する方向に切り替えるべきだ、というものだった。 40数年後にトヨタが世界を制覇するなど誰が予想しただろうか。日本車が米国に進出できたのはまず大気汚染対策と燃費だったが、これからもこの分野での競争が激しくなるだろう。蓄電池の技術が重要になるだろうが、自動車技術とは異なった分野の開発が鍵となる。日本の力を上回る技術が世界のどこかで生まれないとも限らない。
走りや快適さも重要だが、それ以上に効率の高さが評価され、販売台数よりもCO2排出削減度で世界を制覇できるかがこれからの課題だろう。