効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

マサチューセッツ州知事と風力発電

今日受け取ったメール情報にほーというようなものがあった。米国東部のマサチューセッツ州知事が、2020年までに風力発電の設備容量を2百万キロワットにするという目標を設定したというものだ。マサチューセッツ州は小さな州だから、その中だけでこの規模の風力発電を建設することは無理で、その大半を海洋風力発電に頼るもののようだ。この規模で、同州の電力の10%を賄うことができるという。この州は、テキサス州とならんで、エネルギー省から風力発電のテストセンターに選ばれている。テストセンターは全米で二つしかない。
2007年の4月にこの州知事が就任したとき、太陽光発電について現在4千キロワットの太陽光発電の規模を2017年までに25万キロワットにすると宣言した。これはマサチューセッツ州に工場を建設した太陽光発電設備の製造会社エバーグリーンソーラー社を支えるものでもあったようだ。地域で雇用を生み出す産業への支援とも言える。発電設備の設置に対する補助金も充実させたために、1年で設置数400件とそれまでより倍増したそうだ。太陽電池設置工事を行う会社の数も3倍になっている。
州知事は、風力規模200万キロワットを実現させるための施策を次々に打ち出し、電力供給事業者には2020年までに20%相当の再生可能エネルギーを使って供給するよう義務づけている。そして電力事業者は風力発電事業者と長期契約を結ぶことを求められている。風力事業者の資金調達を容易にするためだ。また、小規模な再生可能エネルギープラントからは、電力事業者が通常より高い価格で買い取ることを義務づけている。固定価格買取制度(フィードインタリフ)を導入したということだ。さらに、温暖化ガスの排出を2050年までに80%減らす目標を設定した法律を定め、2020年までに25%減らすとしている。現時点では100キロワット超の風力発電が9基しか州内にはなく、総能力6,600キロワットしかない。しかし、現在80万キロワット相当の計画がいろいろな段階で進んでいるそうだ。
海上風力発電については、コストも上がるし、環境アセスも関わってくるだけに、どこまで本当に実現するかという考え方もあるが、単なる目標だけでなく、それを実現させる法律が幾つも準備されている。他の州もこれに刺激されて、意欲的な再生可能エネルギー規模の拡大を打ち出すのではないだろうか。