効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気自動車の普及

トヨタ自動車が2012年から電気自動車(EV)を市場に出すと発表した。これまでプラグインハイブリッド自動車に重点を置いており、本音はこれからもそうだろうが、競争相手が揃ってEVを商品化するのを前にして、その波に乗れなければこれからの顧客獲得に不利だと判断したのだろう。トヨタは傘下にハウスメーカーも持っているため、いわゆるスマートハウスの実証試験も六ヶ所村で行っている。ここでは住宅に蓄電池を備えるが、これはそのままEVに使われる蓄電池の特性を改善すると同時に、必要なときには放電して系統に流すための基礎データも得ることができる。
一方総合電器メーカーGEがEVを社内用に使うとして2015年までに25,000台購入する。全世界の社有車3万台の半分以上と、リース用車両の一部を切り替える。単独企業としては世界最大規模になるそうだ。そしてそのうち15,000台は米国のGMから11年に調達する。他メーカーのEVも購入するという。GEはEVの充電用設備を開発し、世界に売り込もうとしている。また、EVの制御にも使われるスマートメーターの製造も行っている。さらには、スマートグリッドにおいて重要視される電力需要管理の一翼を担うはずのデータ通信機能を持った家電機器も開発し、すでに市場に出し始めていると聞く。
これからは、自動車という一つの商品開発だけに専念するのでは市場を獲得することが難しくなるだろう。まだ、EV一つをとっても蓄電池の特性の標準化、充電設備の標準化など多くのハードルを越えなくてはならない。自動車メーカーは、これまでになくシステム化した、また、ハードとソフトを融合させた商品開発について優位に立つためには、EV技術そのものの開発に止まらず、スマートグリッドにも関連する通信や制御の技術開発についても競争相手を凌駕しなければ生き残れないだろう。これからの動きはまだ混沌として見えない。EVは言われるほど売れない可能性があるという市場調査もある。ベンチャーの開発するEVの方が魅力的なものが多くなるという説もある。面白い競争が展開されるだろう。