効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カリフォルニアの環境規制

カリフォルニア州の環境規制は世界でもっとも厳しいと言えるだろう。1966年に米国留学ではじめてロサンゼルスを経由したとき、晴れているのに空はスモッグで覆われ、地上の景色もはっきり見えなかったのを思い出すと、最近のロスの空がすっきりしているのも、規制のお陰だということは確かだ。70年代のマスキー法で、環境規制に関わる自動車の排ガス規制について、米国の自動車メーカーは対応できないとしたものが、日本のホンダ自動車がクリアーしたのが、日本の自動車が米国に大きな市場を確保したきっかけだった。ところが、トヨタ自動車が誇る「環境車メーカー」の看板が米国で揺らいでいる。最大市場のカリフォルニア州ハイブリッド車(HV)への燃費規制が2018年に向けて強化され、旗艦車「プリウス」がエコカーではなくなると報じられている。「Zero Emission Vehicle(排ガスゼロ車)」を意味するZEVは、加州が自動車メーカーに一定割合の販売を義務付けている。環境に優しい電気駆動の車の普及が狙いで、達成できないメーカーは罰金を払うか、他社からクレジットを買う必要がある。テスラはたまったクレジットを売ることで赤字体質の収益を補完してきた。1990年施行の規制は段階を経て厳しくなり、12年には18年以降のHVをZEVとして扱わないことが決まったことで、プリウスも例外ではなくなった。燃料電池自動車ミライは対応できるが、高価格と水素ステーションの設置数が極めて少ないために、トヨタカリフォルニア州での販売は大きく落ちる可能性がある。カリフォルニアの規制は世界に広がる可能性があるため、トヨタとしても何らかの対応策を打つ必要があるだろう。