効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コメントをいただいて

1月16日に書いた自然エネルギー導入に必要な系統費用について、tenshinokumaさんから 『おひさしぶりです。この件、スマートグリッドが関係していると思うんです。ITで吸収するっていうのでしょうか。どうなんでしょうか?』というコメントをいただきました。
系統で吸収するのをスマートグリッドで行うという趣旨でしょうか。スマートグリッドはまだ世界で実用的な段階には来ていませんので何とも言えません。スマートグリッドは、比較的小さな地域あるいは建物群にある系統に繋がった他種類の分散型エネルギーを、全体システムが最大効率になるように制御するもので、それには先進的なIT技術が必要となります。いま日本でも国の助成で実証試験が行われていますが、まだどのような形になるのか漠としています。先週東大の東京ガス寄付講座が行った「ホロニックエネルギーフォーラム」も聞きましたが、系統に悪影響を与えないようにするという視点が強すぎるように感じました。私は系統もスマートグリッドの中に含めて考えるべきだと思っています。その意味で、たとえばある地域に太陽光発電が集中していて、その地域の需要以上に発電したときにも、電力が系統を逆流するのをある程度は受け入れるような配電網に組み替えることも必要だと考えています。これは欧米では現実に行われているのですが、日本では系統のバランスが崩れるという考えからでしょうか、そのような方向は出ていません。また、このような組み替えコストが大きすぎるのであれば、蓄電池ということも正当化されるでしょうが、どうも蓄電池ありきという感じなのが肯けないのです。
コロラド州ボールダー市で始まったスマートグリッドの構想でも、蓄電池が中心に来るのではなく、双方向発信機能を持ったスマートメーターで15分単位程度の間隔で需要を計測し、必要なら需要を抑制するような制御をしようという方向です。要するにある区域の電力消費と電力供給を、全体としてCO2排出を一番抑制できるような方法で行うという感じです。系統での対応としては、変電所単位で電力の潮流を制御するのではないでしょうか。
日本ではなぜ高価な蓄電池設置という対応に行くのか理由を明確にしてほしいのです。日本の系統がそれしか対応できないのであれば、その理由を知りたいのです。コメントへのコメントになってしまいました。