効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

都市全体で電力融通

2〜3年前にスマートグリッドについて話をした時に、遠からず地域単位で電力消費が制御管理され、そこから電力会社に電気を売るようになるかもしれないと説明したら、地域の合意も必要だし、実現は難しいのではないかという反論を貰ったことがある。しかし、これが実現しそうだ。日立製作所、シャープ、三井不動産日建設計は、新産業創造都市などを目指した街づくりを行う「柏の葉スマートシティ」(千葉県柏市)でエネルギー管理システムを5月中旬から一部、運用開始するようだ。街全体のエネルギーの運用・監視・制御や、住宅内のエネルギー監視を行うと同時に、分散電源や自前の送電線を使い、街区間で電力融通を行う国内初の取り組みも7月から実施するという。まず、この地域のオフィス、商業施設、ホテル、住宅などと、太陽光発電や蓄電池などの電源設備をネットワークでつなぎ、エネルギーを一元管理し、施設毎のエネルギー消費状況に合わせて、街全体で効率がもっとも上がるように発電、蓄電、融通を行う。ついで、このシステムと住宅内のエネルギー消費を見える化するHEMSと連系させて、家電機器の制御や生活スタイルに適した提案も行うという。限定された地域内でのスマートグリッドを構築するということだ。電力料金削減など、年間で約1千万円の経済的メリットがあると見込んでいるという。
しかし、初期投資がどのくらいになるのか、地域でプライバシーの侵害などを理由に反対する人が出てこないか、解決すべき課題は多いのではないかと思う。オフィスなどの事業者は別にしても、地域住民からは、米国でスマートメーター取付に反対する運動が収まらないのと同じ理由で反対が出るのではないだろうか。情報が錯綜することになるから、良いことばかり起こるとは言えないからだ。