効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

イオンレイクタウン

日経BPのEco Japanメールで2008年10月に埼玉県越谷市にオープンした国内最大級のショッピングモール「イオンレイクタウン」が紹介されていた。以前ここで紹介した太陽熱利用を大規模に行っている集合住宅との関連もある。
このショッピングモールの特徴は、従来型の経済計算では明らかにコスト高の設備が幾つも設置されていることだろう。しかし、イオンは環境に配慮する企業としてのイメージを顧客に評価して貰えることが集客に繋がると考えていることがはっきりしている。4千キロワットの太陽光発電、LED照明、電気自動車用の充電設備など、かなり環境事業を先取りしている。
イオンによると、ここに高効率技術を全く導入しなかった場合は年間トータルで約4万5千トンのCO2が排出されるが、一連の環境対策によって、その内の2割(約9千トン)が削減できるという。その9千トンのうち、最も比率が高いのはハイブリッドガスエコシステムを含めた熱源システムの効率化によるCO2削減分で、約6500トンに相当するとのこと。ハイブリッドガスエコシステムとは、コージェネレーションの排熱利用に加えて、発電された電力の一部を効率の高いターボ冷凍機に使うことで総合効率を高めるもののようだ。これに次いでCO2削減効果が大きいのは照明関連制御だ。開店から客数の多い時間帯にかけて徐々に店内の照度を明るくしていく調光システムや、国内商業施設初となるLED照明の導入などで約千トンのCO2を削減できるという。調光とLED照明を組み合わせると効果が出るのは間違いない。ショッピングセンターやスーパーマーケットへ行くたびに、明るいばかりが能ではないと思うのだが、調光によってどの程度コストだけでなくCO2の削減ができるという付加価値が評価されるようになると、普及が進むだろう。
屋外に設置された電気自動車用の高速充電ステーションは、これも国内商業施設としては初めてのものだ。まだ電気自動車そのものが普及していないのだから、宣伝効果を狙ったものだ。当面は自社使用の電気自動車に使われるのだろうが、この設備があることがこの地域で電気自動車の販売を押し上げる効果があるならば大きなメリットがある。