効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■旭化成、水力発電に数百億円投資

 最近企業がエネルギー効率化に向けた設備改修をするとか再生可能エネルギーを購入するといった記事をよく目にするようになった。地球環境への対応が社会から評価されるようになってきたからであり、それによって企業姿勢を見せているのだ。この動きに沿ったものだが、今日報じられているのは旭化成で、宮崎県延岡市にあるグループの主力工場向け水力発電設備を大規模改修するのに数百億円を投資し、同社の排出するCO2排出を1割削減するということだ。同社は、グループ全体で30年度までに売上高当たりの温暖化ガス(GHG)排出量を13年度比で35%削減するそうで、今回の水力発電の改修はその手始めという位置づけのようだ。設備更新も含めた環境対策に使う資金調達手段として同社として初めてのグリーンボンド(環境債)の発行も計画しているとのことで、20年度にも200億円程度を検討している。

 自社保有の発電設備、それも水力発電バイオマス発電でも規模の大きいものを動かしている企業は多い。バイオマス発電は製紙業がパルプ製造過程の植物系廃棄物を利用して実施しているし、水力発電電気分解工程を持つ所で利用しているところが多い。これらの設備はかなり昔に建設されたものが多く、改修すれば発電規模をかなり拡大できる。旭化成のケースでも、延岡地区では服地用の化学繊維や機能性樹脂、合成皮革などを生産する工場で使う電力の約3割を自社の水力発電でまかなっている。総出力は5万7千キロワットで、水力としては国内有数の規模だそうだ。発電設備は宮崎県と熊本県の9カ所に分散しており、このうち6カ所を順次更新する計画。既に19年夏に五ケ瀬川発電所で着手している。更新の完了後は、同じく自社で運営する石炭火力発電を抑制する。年間では約6.4万トンのCO2削減効果が見込めるという。環境負荷の低減のためにバイオマス発電などの拡大など環境に対応したインフラ関連の投資を広げていくともしている。

 昔使われていた小水力発電を復活させる事例が多くなっているが、旭化成が取り組む規模の大きい水力発電バイオマス発電で改修が可能なところは意外に多いはずだ。いわば企業の広告塔になるプロジェクトだが、他の企業も見倣ってくれることを期待したい。

 

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