効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

2008年の最終日

これほどざらざらした年は珍しい。内外共に経済も政治も来年に持ち越された混乱が続いている。これが収束されるにはかなりの時間が必要だろう。理由の分からない殺人が目立つ社会の荒廃。来年に向けてこれは良くなりそうということを探してみたが、頭に出てこない。
エネルギー関連でも、原油価格の異常な高騰と急降下。投機的な資金の動きの結果だとはいえ、その裏に動く力学はまだ解明されていないだろう。サブプライムローンに端を発した金融危機で、投機的な資金の動きはなくなるかもしれないが、国際規模の不況の結果原油価格はここ当分低迷するだろう。輸入原油に頼っている日本は、円高も有利に働いて、国内石油関連製品の価格はかなり下がる。しかし、輸出産業が円高でダメージを受けていることでエネルギー需要も低下するから、価格が下がっても需要が反転して増加に向かうとは考えられない。
値上げされた電力、ガスの料金も引き下げられる。それ自体は悪い話ではないが、化石燃料に代替する風力発電太陽光発電のコスト競争力がなかなか上がらないことになるのは痛し痒し。今回の原油価格の変動を経験すると、自然エネルギーにはこのような燃料価格の変動リスクがないということを再認識できる。設備ができあがった時点で発電コストはほぼ固定される。風や光には値段がないのだから、後は運転にともなう保守点検費用の折り込みだけが変動要因である。一般的に高いといわれる自然エネルギーによる発電原価も、燃料価格変動リスクがないことを評価した割引設定ができないものだろうか。
来年1月20日に就任するオバマ米国大統領の政策がどのようなものかによって、世界の経済動向も地球温暖化問題も左右されることは確かだ。そして日本がオバマ新政権の打ち出す政策に機敏に対応して動けるかが問われるが、いまの国内政治の状況から見ると悲観的にならざるをえない。世界が一斉に動き始めたときに、日本は総選挙に入っているかもしれず、自国の方針を示すことすらできなくなる可能性もある。
ま、しかし、新しい年に入ると何か希望が見えてくることを期待しよう。