効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用太陽光発電への補助金再発足

今朝新聞を開けたら、経済産業省が住宅向けの太陽光発電補助制度を2009年1月13日に開始すると発表したと出ていた。3年前にやめた補助金を再開することになったのだ。補助は1キロワットあたり7万円だから、以前の補助金が最終段階で3万円程度だったのから見ると大きく増額された。家庭向けの標準的な機器を約1割安く買えるようにするという。08年度の補助金総額は約90億円。対象となるのは一定の品質や設置後のサポートなどがメーカーなどに保証されている機器。1キロワットのシステム価格が70万円以下ということのようだが、工事費込みで現在の市場価格がこの基準に収まるだろうか。
標準的な家庭用の設備は出力が約3〜3.5キロワットだから、補助額は1世帯あたり21万〜25万円程度になる。補助事業の実施主体は太陽光発電協会(JPEA)。3万5千件程度の補助件数を見込んでいるようだ。
経産省が見込んでいるような数がはけるだろうか。締め切りは年度末、ということは来年の3月31日までに業者と契約を済ませて申請しなければならない。経済状況がこれからもっと悪化すると予測されているのだから、2〜3百万円の投資をする決断をする人がどれくらいあるだろうか。しかも、投資が利を生むことを期待できない現在の制度では、従来なら存在した地球温暖化防止に貢献するために太陽電池を取り付ける人は少ないだろう。今の経済環境では取り付け段階の補助金では動かないだろうと思う。住宅向けの場合、取り付け業者はその地域にあるのが普通だろうから、地域の雇用を促進する効果があるのだが、取り付けしたいと考える世帯がなければまったくその効果を発揮できない。補助金を再開したタイミングも最悪である。世界的に太陽電池生産能力が過剰になっていると言われてはいるが、国内メーカーがどこまで値段を下げることができるか。おそらく今年度の補助金の殆どが未消化で残るのではないか。