効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

陶器パイプでビル冷却

12月2日の日経産業新聞によれば、日建設計がビルの壁面のはしご状に多孔質の陶器管を巡らし、そこから雨水を蒸発させることでビルを冷却する技術を開発した。昔から素焼きの壷に水を入れておくと、表面から水が少しずつ蒸発してその時に熱を奪うので、中の水が冷えるというのは良く知られている。この原理をビルに応用できるように開発したものだろう。ビルの地表近くや側面で温度を2〜3度低くできて、ヒートアイランド現象の抑制にも効果があるとのこと。陶器管付近の窓際も冷却できるため、夏場の空調費削減も見込めるという。東京都内で2〜3年後に完成するビルで、高さ、幅、それぞれ100メートルを超える壁面に採用されることが決まっている。陶器管は国内で採取した土で製造し、ビルの地下の貯留槽にためた雨水を太陽電池で発電した電力を使ってポンプで循環させる。雨水が染み出して蒸発する量を適切にするために、材料配合を工夫している。
水を霧にして噴出して空気の温度を下げるシステムがあるが、それを多孔質の陶器管に代替させて、ビル全体を見えない霧のカーテンで覆ったと考えればよいのだろうか。自然エネルギーで雨水を循環させるのも面白いが、これが高層ビルとなると電力消費が太陽電池だけではまかなえないかもしれない。ただ、高層になるとこの蒸発システムは必要ないだろう。地表の気温が高くなるのが冷房負荷を高めているのだから、100メートルまで利用できればそれで十分かもしれない。家庭用にもこのシステムは使えないだろうか。打ち水効果を高めるような庭石や、ベランダなどに使えば案外面白い商品が生まれるかもしれない。雨水の利用もそれほどコストがかかるものではないから、その気になれば自分でもできるだろう。太陽電池は少し無理だろうから、人間力で流してやれる方法がないか考えてみよう。