今日の奈良新聞に、大和郡山市が市役所の蛍光灯設備を高効率のものに取り替えたと出ている。国が景気対策として創設した資金支援「地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金」があって実現したものだが、効率が高くなかった従来の蛍光灯時代に比べて年間110万円も電気代が減り、二酸化炭素排出量は20トン削減できるそうだ。取替コストは620万円。これは歓迎すべきことだが、それに続いて少し気になることが書いてある。取り外した旧照明設備を中古品としてインターネット公売で販売するのだそうだ。それを買う人なり企業は、当然それを再度取り付けて照明に使うだろう。ということは、低い効率の照明器具が場所を変えただけでエネルギー消費は減らないと考えられる。取り付け先がいままでもっと効率の低いものを使っていたのであればまだ分かるが、年数を経た同じような蛍光灯をこの中古に置き換える、あるいは、いままで照明がなかったところにこれを取り付けるとすれば、全体として考えれば電気の消費量はそれほど下がらないことになる。もったいないからという感覚は分からないではないが、資源回収に回した方が良かったのではないだろうか。
米国で古い冷蔵庫を効率の高い物に取り替えて貰うプロジェクトが進展している。これには電力会社がリベートを払っている。ところが、新しくて効率の高い冷蔵庫を購入したとという証明書だけでリベートを払うと、古い冷蔵庫はまだ使えるからとして別の部屋で使うというケースが続出し、電力会社が古い冷蔵庫が使われなくなっていることを確認するようにしていると聞く。廃棄物として処理するのにもエネルギーが消費されるから、中古品として使うのを一概に禁止するのはどうかという考え方もあるだろうが、どこかで思い切らなければならないだろう。
大和郡山市の場合、現在使用している110ワットの蛍光灯を40ワットのものに取り替えるそうだ。台数は268基から402基に増えるとのこと。ただ取り替えるのではなく、人の出入りが少ないところや窓際には、モーションセンサーや照度センサーを取り付けて、必要のないときには自動的にスイッチを切るようにしているだろうか。これに大きな費用がかかることはない。例えば非常階段は人があまり通らないから、危なくない程度に間引いて点灯させ、人が入る気配を感知すると全部点灯させるなどすると、電気の使用は確実に減る。どのような設置の仕方をしているか知りたいものだ。