効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鳥取の夜は更けて

朝9時過ぎに歯医者にでかけて、抜歯後の状況をチェックして貰った。良好なようで、義歯を入れるための型どりがなされた。どのような結果になるか分からないが、今度義歯を入れるについて周辺の歯とブリッジをするために、ゆるみ始めている歯を補強する効果が出ないかなと思っている。
帰宅してすぐ鳥取に向けて出発。鳥取ガスが考えている新しい電力利用形態を模索するプロジェクトについて、エネルギーシステム会社と協同作業をするためのトップ会合が行われるのに呼ばれたのだった。すでに通い慣れた路線を特急スーパーはくとディーゼルエンジンの音を響かせながら走る。中国地方独特のなだらかな山並みは、きれいに色づいて目を楽しませてくれた。ただ、依頼されているグリーンITに関する米国の動向についての原稿冒頭部分を作るのにかなりの時間を割かざるを得なかったのは残念。
エネルギーシステム会社の幹部からエネルギーと環境を巡る現状について説明があった。鳥取ガスの社長は、普通の社長なら黙って聞いているところが、すぐに待ったをかけて質問をし、それに答える側の幹部も即応で興味ある説明をしたので、時間がいくらあっても足らない状況になってしまった。結局夕食会の席に移ったのは予定より1時間遅れだっただろう。
日本海ではいま蟹のシーズン。会食は蟹と魚のオンパレード。素晴らしい味を堪能した。その間にも自然エネルギーについての話題もはずみ、これからの展開が面白くなるだろうという予感がする。二次会にもつきあってホテルに入ったのは次の日になってからだった。
政府は、自然(新)エネルギーを系統に接続するにあたって、どれほどのコストがかかるかを検討する委員会を発足させた。電力会社にとっては自分の意のままに発電させることのできない自然エネルギーを受け入れるについて、系統に何らかの調整をしなくてはならないのは当然のことだが、そのためのコスト算定についてどれほど透明性の高い数字が出てくるかは分からない。特に太陽光発電について、その設備コストだけで発電原価を出し、それに対応するためのコストをそのまま上乗せするような計算が出されるとすれば、分散型発電が持つ本来のメリットが全く無視されることになりかねない。電力会社が出す数字を、客観的に判断できるところに依頼する必要があるだろう。電力会社の政治力が大きいだけに、通常のリサーチ会社では信頼できる検証ができるとは期待できない。極端なことを言えば、欧米のエネルギーリサーチ会社に担当させることも必要ではないかと思う。従来の方式で計算されれば、多分結論として原子力発電が一番低いコストで発電できるという数字を出すであろう。しかし、原発のような巨大設備を建設するファイナンスリスク、放射能廃棄物の後処理コストの高さを考慮に入れれば、一見高く見える分散型電源が、系統も含めたトータルなシステムに組み込まれたコスト算定がなされれば、環境価値も加えると社会全体として計算したコストは原発よりも低くなると確信している。
その分散型電源を電力会社に比べればまったく政治力のない地方ガス会社がどのようにして事業に取り込むか。何かニッチなメリットを消費者に感じさせるシステムを創出しなくてはならないだろう。