効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

伊丹空港へのコメント

9月21日に書いたものにコメントをいただきました。
はしもとさんから『伊丹空港開港時に周りは野原だったのにあとから住民が来た…というなら伊丹空港があって、騒音がそれなりにあって(ジェット化など程度の変化はともかく)、飛行機の墜落や部品落下他のトラブルが当然ある(ありうる)ことは容易に判った上で住んでいると考えられるよね。地価もそれを織り込んで評価しているはずだし。となると住民はそのこと込みで受け入れてそこに住んでいるわけだから、今になって「事故が」ってのはちょっと…そりゃ起きるかもしらんが、電車だって密集地を高架で走っていてもし脱線で落下したら大参事だから郊外に移すべきということと同じでは?後者は当然ないと思いますが・・・  利便性については消費者が判断し、結果として供給が決まるはずです。供給上の選択が恣意的で便利なはずの関空に飛ばせないというならともかく、そうでないならおかしな気がします。本質的には関空の優位性、競争力強化に力を注ぐべきでしょう』
はしもとさんのこのコメントを理解できないことはありません。しかし、空港があることを知りながら住み始めた人たちが、騒音がひどいということで補償を求め、あるいは騒音防止の住宅改造を要求してかなり聞き入れられて多額のコストがかかっています。周辺の自治体も迷惑施設であるとして移転を要求し、それがきっかけとなって関西空港に全部の機能を移すとことになったと理解しています。それが決まる過程で自治体は移転を再考したのではなく、移転が決定してから今度は移転反対に方向を転じたのです。騒音補償はいまでも続いているのではないでしょうか。電車が高架から落ちる確率と危険度と、飛行場で航空機が落ちる確率と危険度は、コメントのような同じレベルでは言えない問題だと思います。
伊丹空港では、騒音が本格化した後に住み始めた人たちには、コメントと同じ趣旨で減額補償がなされている、あるいはないのだろうと思いますが、いずれにしろ伊丹空港の存在自体に皆反対していたのです。考え過ぎかもしれませんが、補償の上積みを目的に反対運動を自治体も含めてやっていたのかもしれません。今の滑走路はジャンボ機にはぎりぎりの長さしかなく、延長も不可能です。無くしてしまうのではなく、中型機で騒音の低いものにだけ運用を認める方向で考えるべきだと思います。それに対して橋下大阪府知事(前に橋本と間違って書きました)の問題提起は大きな意味があると感じたのです。伊丹空港は国が管理しているのですが、関西空港は民営です。伊丹のメインの国内線が移転することを織り込んで収支計画をしていたものが、その基本条件を関空の計画が決定してから変更しておいて、着陸回数が少ないと非難する国の姿勢には疑問を感じます。
事故のことを中心に言ったつもりはなく、いままで迷惑施設だとして移設を主張していた自治体や周辺住民が、突然態度を変えたのはフェアーではないと考えたのです。この問題とは違っているのですが、国際線を成田に移した羽田が、滑走路拡張後国際線の拡充を図っているのも問題含みだと思います。今でも成田空港拡張に反対している人たちは、ごね得を狙っているのではないと考えるからです。伊丹周辺の自治体はごね得に成功したと言えるのかもしれません。今までの経過を詳しく知っているわけではありませんので、間違って解釈している部分があるかもしれませんが、本来伊丹空港はなくなる筈だったことは確かです。その政策決定が一度なされているからこそ、橋下知事関西空港重視発言は重みがあると思います。