効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新幹線初代型0系列車退役

東京5輪の開幕直前に運行を開始した新幹線にさっそうと登場した0系列車が、44年間現役で走り続けてきた後この11月末で定期運行を終了するとのこと。株も原油価格も下落し、円高もどこまで行くか分からない不安なニュースばかりの中に、ちょっとほっとさせてくれる話題だ。始めて新幹線に乗ったときには、速度計もついていて、最高スピード210キロに近くなると、窓を横切る景色が見えないような気分にもなっていた。86年までに約3200両製造され、99年に東海道区間から退いて、今は山陽区間だけ走っているということだが、これだけの長い期間走っていたというのは大したものだ。この維持管理に当たっていたJRとメーカーにお疲れさんと言いたい気分。この間始めて乗った最新のN700系に基本技術は引き継がれているのだろう。N700系の制限速度は270キロ、山陽区間を走る500系は300キロとなっている。開業当時は世界一だった速度も2008年に中国で開業した北京・天津高速鉄道が350キロ(Wikipediaによる)と追い抜かれてはいるものの、安全性、定時性を含めたサービス内容を見ると、総合点では世界一だろう。
いまJR東海が自己資金でリニア新幹線を建設する計画を発表している。当面東京と名古屋を結ぶ路線計画だが、いずれは大阪に延ばして1時間で結ぶのが目標だ。そうすると東京・大阪に3種類の鉄道が平行することになり、どういう役割り分担になるだろうか。東京・大阪1時間となれば、運賃も影響するとはいえ飛行機の利用は激減するに違いない。鉄道産業構造が大きく変わるのは間違いない。よく言われるようになったモーダルシフトも鉄道に重点が置かれるようになって、現在の新幹線に貨物列車が走るようになるかもしれない。
リニア新幹線超電導磁石を利用して車体を浮かせて走るため、時速500キロが標準となるらしい。ほとんどトンネルの直線路線を走ることになるはずだが、人間の身体がこの速度について行けるのかしら。ジャンボジェットに比べれば半分ほどの速度、コンコルドの巡航速度の2160キロに比べると4分の一ではあるが、地面との距離がほぼゼロだから、地磁気とかの影響は異なるだろう。今の実験線でテスト済みと言われるかもしれないが、超電導の磁界が人体に与える影響など、頻度との関係はまだ分からないのではないだろうか。また、この速度を出すために消費される電力はどうだろうか。速度を落とすときにかける電気ブレーキでかなり回収されるのかな。
昔からの狭軌の路線は地方の足としてまだ機能しているはずだが、次第に収益性がなくなっているのは確かだ。しかし、貨物路線としてはもう一度見直す価値があるように思う。日本全体として鉄道路線の意味を再考する時期になっているのではないだろうか。