効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国に瞬間湯沸器が普及するか

ガス機器メーカーであるリンナイが米国進出したリンナイアメリカ社が、米国で販売しているガス瞬間式給湯器について米国の省エネ推進機構からエネルギー効率大賞を受賞したということです。以前にも述べたことがありますが、米国の湯沸器は大きなタンクがついたいわゆる貯湯式のものがほとんどでした。リンナイ社の資料によれば、米国給湯器市場は、2007年に約934万台(ガス480万台、電気454万台)となっています。電気式は電熱でお湯を作るのです。ガスにしろ電気にしろ、いままで料金が安かったですから、効率よりもいつでもお湯があることを重視して、でかいタンクが地下室などにあるのが普通です。断熱も不十分ですから利用されずに放散されるエネルギーも大きかったのです。
最近ガス瞬間湯沸器への需要が高まりつつあるのは、私が関係しているE Sourceからの情報でも明らかです。米国ではタンクレス給湯器と呼ばれています。日本と違ってお風呂ではなくシャワーが主体ですし、皿洗い機なども普及していますし、洗濯にはお湯を使うのが普通ですから、米国の給湯需要は日本より遙かに大きいのです。リンナイも硬水地域に販売するについては対応しているとは思いますが、瞬間式は基本的に軟水を利用する方が良いのです。硬水を熱交換機に通すと、カルシウム成分などが析出してすぐに湯沸器のパイプが詰まってしまいます。これさえ気をつければタンクレス給湯器は、ガス価格も上昇していますので市場は拡大するでしょう。この間出席したE Sourceの会合でも、ガスにも需要抑制施策を推進することがガス会社に求められるようになるそうですから、特典がつけられるかもしれません。
日本のガス瞬間湯沸器技術は世界最高でしょう。これから米国だけでなく他の国でも普及すると考えられます。しかし、サービス体制や設置工事技術者の訓練など、きっちりやっておかないと痛い目に遭う可能性もあります。よく気配りして市場を制覇してほしいと思います。
一方、日本で普及が急速な電気ヒートポンプ給湯器(エコキュート)も米国の電力会社が注目しています。米国向けには日本の業務用クラスが必要かもしれませんが、効率が高いために冬の電力ピーク需要抑制効果も期待できるからです。また寒冷地向け電気ヒートポンプ暖房機についても注目されています。
いずれにしろ、日本のエネルギー技術が米国のエネルギー効率向上に貢献することは間違いなさそうです。