効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

薪燃料の自動車―コメントをいただいて

5月31日に書いたものに、鳥取ガスを訪問して自然エネルギーについて講演したときに見せて貰った薪をガス化して燃料として走る軽自動車の紹介があります。それについて、この自動車の開発をされた国岡さんご本人からのコメントを昨日いただきました。有り難うございます。
国岡 (61.214.101.21)
『薪ガス自動車を作成した本人です。ガソリンを供給するのは急加速と急な坂の場合だけです。薪ガスの成分には水素が比較的多く含まれるので、木炭の場合よりパワーが出ます。』
http://d.hatena.ne.jp/YSER/20080531
たまたま今日も鳥取ガスを訪問して、新しい電力供給システムについて検討する会議に参加していて、帰りにその自動車をもう一度見ることができました。写真をご紹介します。

これで分かるように、ナンバープレートが付いているということは、公道を走れる自動車として認定されているということです。型式をとっているのですから燃料供給システムも含めて認可されているのですから大したものです。ただ、これが大量に普及するかというと無理でしょう。薪をいちいち投入しないといけないし、おそらくガスが発生するまで時間がかかるので、すぐにはスタートできないでしょう。あるいはガソリンを使って走っている間にガスが発生するかもしれませんが、手間がかかります。また、ガス発生炉を積んでいますからその重量分だけ損失も大きくなるでしょう。バイオマスの概念を啓蒙するのには良いシステムではないかとは思います。
コメントは、ガソリンも同時使用しているのではないかということへいただいたのですが、推測で書いて申し訳なかったと思います。しかし、キャブレーターが一個だということですから、どのように制御するのか、またどのように計測されたのか興味があります。また、木炭を使ってガスを発生させるよりも、薪から作るガスの方に水素が多いので、木炭よりパワーが出るというコメントもいただきました。木炭の場合には熱量として使われるのが殆ど一酸化炭素だと思います。しかし、炭素と水素の化合物でできている薪の場合には、乾燥度にもよるでしょうが水素と一酸化炭素、それに若干の未分解成分が出てくるでしょう。水素の発熱量は重量当たり一酸化炭素の12倍ほどありますから、馬力は出るのでしょうね。しかし、薪を完全にガス化するのは難しいでしょうから、残ったタール分を走った後で処理する必要はないでしょうか。
私は、このガス発生炉を、間伐材や廃材をガスにする設備として利用すれば、それでバイオガス発電機ができるので、広く使える将来性があるのではないかと思っています。木質燃料を直接使うボイラーなどはありますが、ガスにしてから加熱に使うという柔軟な使い方ができそうです。小型であまり手間がかからない設備のようですので、今後の開発に期待したいところです。