効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

純水素で駆動する燃料電池

東芝子会社の東芝燃料電池システムは10日、東京都大田区で同日開所したイワタニ水素ステーション東京池上で、世界最高水準の発電効率を実現した同社の次世代型純水素型燃料電池システムが実証運転を始めると発表した。運開するのは、同社が開発した出力700ワットの純水素型燃料電池システム。2014年度に開発したモデルをベースに開発を進め、水素利用効率を向上させるとともに電池部材の改良によって電池電圧特性を向上。世界最高水準となる55%の発電効率を達成している。純水素で作動させる燃料電池は、燃料電池自動車に使われているものと同じだが、発電規模が異なっている。今回発表されたものは、東芝が商品化している家庭用の据え置き型燃料電池エネファームのセルスタックを利用、改良したものだろう。エネファームは都市ガスやLPガスを改質器で水素に変え、改質器からは炭酸ガス一酸化炭素が出てくる。一酸化炭素燃料電池に有害なので除去される。この部分が不要になるためにシステムとしてシンプルになる。問題はこの新燃料電池で使われる水素をどのようにして作るかだが、理想を言えば再生可能エネルギーからの電気で水を電気分解することで作ることがいいのだが、イワタニ水素ステーションの場合には、多分LPGを改質したガスから水素を作っているのだろう。実証試験で水素によって発電した電気は、イワタニ水素ステーション東京池上内に併設されたコンビニエンスストアの照明などに利用。発電の際につくられた温水は、コンビニエンスストア内の洗浄用シンクで活用されるということだ。水素の配送ネットワークが構築できれば、このような純水素型燃料電池の利用が拡大できるが、それにはまだ時間がかかるだろう。
アインシュタインが理論的に予測した重力波が、米国の研究陣の手で実証されたというのも画期的なことだ。それを日本の実験設備で確認できれば嬉しいことだが。