効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

帰国

土曜日に大学の秋学期講義の初日があるために、E Sourceのフォーラムを一日早く切り上げることを余儀なくされました。この3日間300人を越える人が集まってプレゼンテーションを聞き、食事を一斉にとるのを、混乱もなく進行させるのは見事なものでした。21回目というだけの修練度かもしれません。25日の夜はデンバーのレストランに分散して夕食をとるプログラムでしたが、ボールダーにいる永年の友人と食事をすることにしました。ホテルの近くのレストランを予約してくれて、彼もエネルギー、特に分散型エネルギー情報の専門家でしたので、家族の動向以外はエネルギーづくしの夕でした。彼は10月半ばになると今の会社を辞めて別のところに移ることになっているそうです。会社の名前を教えてくれましたが、まだ誰にも行っていないということでしたので、ここでも具体名を出すのは避けることにします。
風力などの設置に対する税優遇が1年延長されるそうで、米国の風力発電はずっと増加を続けることは確実です。そして、原発について、若干の建設はあるだろうが、どんどん建設されることには決してならないといいました。また、石炭火力も申請しても最終的に許可されないで、放棄される計画が続出しているそうです。米国の電力は石炭に依存していますから、これからどうするのだと聞きましたら、天然ガス再生可能エネルギーだろうと言いました。既存の天然ガス田を生き返らせる技術も開発されて、生産は増え始めているとのことでした。風力発電の不安定性に対応するには、大型蓄電池も勿論あるけれども、使い切った天然ガス田に高圧空気を風力からの電力を使って押し込んで、必要なときにそのエネルギーで発電する方法が一般的に考えられていると教えてくれました。E Sourceの昼食の時に同席した人は、石炭火力から炭酸ガスを回収する技術に期待するといっていましたが、夕食の友人は頭を振っていました。
彼に夕食のお礼を言ってホテルの部屋へ帰ってすぐに荷物を片付けて、翌朝5時15分の空港行きシャットルバスに乗るべく早々にベッドに入りました。朝チェックアウトしてバスを待ったのですが、一向に来ませんので心配したのですが、10数分遅れで来てくれました。空港まで40分、すでに朝の通勤ラッシュで車が多いのに驚きました。米国の空港で鉄道が接続しているところはほとんどありません。また、空港のセキュリティチェックが厳しくて時間がかかるので、どうしても早めにホテルを出ないといけないのは困ったことです。デンバー空港が拡張されたときにどうして鉄道を敷かなかったのか、また、現在の高速道路にモノレール付けるなどの構想はないのかと思いました。デンバー市内のショッピングモールの無料バスに感心しただけに、そのギャップは大きいです。この無料バスは市の中を走る電車が運営しているそうで、モールのお店がコストを負担しているのではないとのことでした。同じコロラド州のボールダーにも無料バスはあるそうです。
空港へのアクセスを鉄道にするだけで米国のガソリン消費量は大きく下がるでしょう。米国のエネルギー効率化余地は極めて大きいと断言できます。しかも自前のエネルギーを持っていますので、殆ど全てを輸入する日本に比べて実績を出すのは容易でしょう。E Sourceのフォーラムでも、全室冷暖房のシステムを見直すべきだという発表もあって、家庭レベルからエネルギー消費抑制が具体化するようです。そして、この行動を電力・ガス会社が積極的に推進しています。日本はこれからどうするのでしょうか。
ロサンゼルス経由で成田に着き、そこから羽田までバスで移動。羽田から関空まででしたが、飛行機が遅れたために家に着いたのは11時半でした。流石に疲れました。しかし、明日は早く起きて新三田まで行かなくてはなりません。へばらないように気をつけないと。