エジプトは太陽光と風力が豊かな地域だが、その発電電力はほとんど化石燃料に依存している。それを急速に再エネによる電力に切り替え、隣国へも輸出しようとしている。ジェトロの資料では、2014年時点では、発電量の内91%が石油と天然ガスからのもので、水力(アスワンダム)が8%、太陽光・風力で1%だが、それを2030年には、石炭火力29%、石油・ガスによるものが27%、太陽光16%、風力14%、原子力9%、水力5%にしようという目標を建てている。石炭火力と原発が入るのは不可解だが、再エネシフトに向かっているのは確かだろう。
政府は国内の大手建設企業や電力関連企業と一体となり、アフリカでの発電・送電関連プロジェクトの推進を狙っており、スーダンなど周辺国への電力輸出も開始される。エジプトでは、2020年1月にスーダンへの売電用に300メガワットの送電設備が完成し、政府は第1フェーズとして50メガワットの送電を順次開始すると公表している。現地報道によると、ムハンマド・シャーキル電力・再生可能エネルギー相は、サウジアラビアやキプロス、ギリシャなどにも2020年に売電を始めたいとし、民間発電と民間投資にも期待すると述べた。現時点のエジプトからの売電取引はヨルダンとリビア向けに限られている。
この再エネへの転換に財政支援をしようとしているのが米国。今週の水曜日に米国の環境担当ケリー氏がエジプトの外務大臣との会議の後、豊かな太陽と風を十分に利用できるように支援すると公表している。再エネへの切り替えは、エジプトとしても雇用を創出する機会だと理解しているようで、現在エジプト国民の3分の1が貧困層であり、新型コロナの電線で環境客が激減して経済も打撃を受けているのを、環境重視のバイデン大統領が支援する形となっている。エジプトを親米国にする格好のプロジェクトとなる。原発はロシアの支援で建設されるようだ。エジプトが米露で奪い合いになるのかも知れない。
電力関連で日本の支援も行われている。再生エネルギー関連としては、国際協力機構(JICA)による2003年のザファラーナ風力発電事業、2006年のコライマット太陽熱・ガス統合発電事業などが実施されてきた。また、近年は風力や太陽光発電に加え、スマートメーター導入や電力セクター復旧改善事業を実施している。
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