効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

見直した鉄骨プレハブ住宅

昨日奈良のエネルギー市民グループが行った住宅メーカーの訪問見学会に参加しました。その中に、積水ハウスの奈良にある組み立て工場訪問があり、まず家を建てるというよりも、流れ作業で、しかもロボットによる溶接工程も含まれた組み上げ現場に驚かされました。数種の規格に統一されてはいるのですが、施主の希望に従って異なるユニットの組み合わせを、指示書通り間違いなくアセンブルし、1日に170戸以上も完成させて送り出しているのです。朝組み立てに入った家が夕方には完成し、しかも内装もほとんど行われた形で梱包されて出荷されるのです。工場の宣伝に乗せられているのかもしれませんが、現場作業はユニットの接合なので、建物に関するごみがほとんど出ないし、出てもそれは持ち帰ってリサイクルするようになっているそうです。流れ作業の組み立ての間に出るゴミも分別してリサイクルしています。木造建築の場合にこのようなレベルのリサイクルをするのは難しいでしょう。
いままで、家は木造が良いと思っていました。いまでも基本的には変わりませんが、鉄骨プレハブの耐震性と同じレベルの強度を木造で出すのはかなり難しいだろうと感じました。どなたか木造の耐震性についてご存知であれば教えてほしいです。その耐震性のデモに、阪神淡路大震災の揺れ方を再現した部屋で揺れを実感しましたが、横ずれの距離の大きさに驚愕しました。それに大きな加速度が加われば、木組みを基本とする木造住宅である自宅はどこでそれに対抗できるのだろうかと心配です。阪神淡路地震の前にできた家ですから。
耐震という面だけから見れば、日本のように地震の多い家は鉄骨を溶接してできた基本フレームの家が適しているのかもしれません。耐震性が高いとされるツーバイフォーは木造ですが、日本の家は窓が多いですから、耐震という面では不利かもしれません。宣伝に乗せられすぎたかもしれません。炭酸ガス排出量という面から見れば、鋼鉄の枠組みを製造するのに多くのエネルギーが使われますから、LCAで見た場合に木造住宅と比較した場合にどの程度差が出るのかも気になりました。
工場の入り口に、この会社の資材リサイクル率を図表にしたものがありました。それに拠ると、マテリアル・リサイクルが95%、サーマル・リサイクル(燃やして熱として使う)が約5%で、全てをリサイクルしているとなっていました。宣伝ですからそのとおりとは言えないかもしれませんが、この実現がやりやすい工程であることは確かです。現場工事で一から建てる木造住宅の場合、このリサイクルはどうなっているのか知りたいところです。