効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

2日目のSmart Energy Week 2018 in Osaka

雨が降っていたら諦めようと思っていたのだが、綺麗な青空が出ていたので、昨日に続いてスマートエネルギーの展示を見に出かけた。奈良からは1時間半ほどかかり遠いのだが、昨日の疲れからか居眠りをしている間に終点のポートアイランドに着いた。インテックス大阪はそこで乗り換えて2駅。人出は昨日とあまり変わっていない様子。今日は展示を見るのは脇に置いて、二つの基調講演を聞くことに決めていた。一つはバイオマス関連。もう一つは太陽光発電に関する物だったが、バイオマスのセッションに登場した二人の講師の話は参考になった。最初に登場したのは九州大分県日田市の市長。地域エネルギーを拡充するために、地元に豊富にある人工林を使ってバイオマス発電を行っている事例の紹介をしてくれた。利用期を迎えたスギやヒノキの人工林が60%に達したのを有効利用するために、12,000kWと5,750kWというかなり大きな発電設備を建設している。ここでの鍵は、廃木材の買取価格を7千円/トンにしたのが有効に機能したそうだ。また、間伐材や廃材の湿分が低いと高値で買い取るようにしたことも、乾燥度の高いものが持ち込まれるようになり、乾燥のための備蓄コストが下がったそうだ。
日田市の場合には開始してから余り時間が経って居らず、固定価格買取制度を利用しての事業化だったが、いまでは市庁舎を始めとする公共建物や地域の住宅への電力供給に切り替えたそうだ。2人目は、この業界では有名な岡山県の銘県工業の社長の話。この会社の歴史は長く、発電を始めた動機は、資源を全て有効に利用しようとするトップの意向だったという。1984年に175kWで開始している。その後次々に発電所を建設したが、樹皮の買取価格を3円/kgに設定したことから、それまでは廃棄処理しかなかったものが次々に持ち込まれるようになって、燃料を確保できたのが一つの成功原因だそうだ。ここで知ったことだが、日本列島の森林比率は非常に高いのに、事業としての成功率が他の森林国に比べて非常に低いのだそうだ。その理由として言われたのが、林業に事業性を持たせる仕組みがないのが日本の問題点だという。もう一つ心に残ったのは、木造の家は、鉄骨作りの家に比べて遙かにグリーンだと言うことを日本の人はまだ理解していないということだった。断片的な印象を述べたが、固定価格の買い取りか価格が高めに維持されるために、これから伸びると予想される木質バイオマス発電を成功させる秘訣は、その仕組み作りにありそうだ。